ジュネーブショーの会場で、早朝といっていいだろう。朝8時から始まったフォルクスワーゲン・ブランドのプレスカンファレンスにはすでに、たくさんのメディアが集まって、ワールドプレミアとなる『I.D. VIZZION』の登場を迎えた。
『I.D. VIZZION』は、フォルクスワーゲンの次世代を担う電動化ブランド『I.D.』シリーズとしては、4番目のモデル。マルチパーバスバン、コンパクト、クロスオーバーに続いて4ドアサルーンのルックスで登場した。デザインコンセプトとしてはまず、その「大きさ」に注目すべきかもしれない。
新たなブランドシリーズのデザインに関しても統括しているフォルクスワーゲンデザインのリーダー、クラウス・ビショフ氏は、全長5110mmという伸びやかなサイズがあったからこそ初めて可能になった新たなデザインロジックがある、と語る。
短いオーバーハングや大きなタイヤ、あるいはボディのシンプルでクリーンなアクセントラインなどは、この大きさがあるからこそ可能になったデザインてす。サイドのラインは「砂丘にできる風の波紋」をイメージさせるもの。穏やかに乗員を包み込むようなインテリアデザインも含めて、自然が生み出すもっとも美しい形を、盛り込むことができました(ビショフ氏)
2019年のデビューの『I.D.』を皮切りに、2020~2021年に『I.D. CROZZ』、2021~2022年に『I.D. BUZZ』の市販を予定している。
さらにその先を見据えた『I.D. VIZZION』は、2022年頃にデビュー。コンセプトモデルは2025年をメドに実現を目指す完全自動運転に向けた、革新的なインターフェイスの提案も盛り込まれた。
音声を使ったコマンドシステムや、マイクロソフトと共同開発しているヘッドセット型のホログラフィック機能など、まさに未来のフォルクスワーゲンを象徴する1台なのだ。