トヨタのブラジル生産/販売事業を担う「Toyota do Brasil(ブラジルトヨタ)は、ガソリンに加えてエタノールなどのアルコールを燃料として走行できるフレックス燃料車(FFV)に、世界で初めてハイブリッドシステムを搭載した試作車を、サンパウロ市でトヨタが主催したイベントで初公開した。
ハイブリッドFFVは、トヨタが日本とブラジルで開発を進める新たなパワートレーンシステム。走行実証には、現在ブラジルで販売するハイブリッド車「プリウス」に同システムを搭載した試作車を用いるという。
今後、ブラジルでのテスト走行を通じてデータを収集し、ブラジルにおける実用化に向けて、ハイブリッドFFVの耐久性やパワートレーン性能などの検証を進めていく。
そもそも「フレックス燃料車」って?
フレックス燃料車(FFV)とは、それぞれ単一の燃料タンク/燃料供給系/エンジンのままで、エタノールを混合したガソリンで走行できる自動車。
ブラジルはフレックス燃料車(FFV)の販売が多く、2003年3月にフォルクスワーゲンがFFV第1号を販売して以降、各自動車メーカーが参入。トヨタは2007年よりブラジルにおいてFFV車を販売、ホンダや三菱も同様の時期から販売を行っている。いまでは全自動車販売台数の約96%をFFVが占めるまでになっている。
なぜブラジルなの?
ブラジルでは、1973年の石油危機を発端とした原油の高騰、高い石油輸入依存率対策として「国家アルコール計画(プロアルコール)」を1975年から実施。1993年にはガソリンへのエタノール混合が法律により義務づけられた。
自動車用燃料としては、自国で多く栽培されるサトウキビを原料とするエタノールを25%混合したE25、100%バイオエタノール燃料のE100がある。