今シーズンから決勝ではソフトとミディアム、2種類のタイヤの使用が義務付けられる。初夏の陽気となった鈴鹿サーキット、ソフトタイヤの消耗が厳しい。ミディアムタイヤでスタートし、終盤にソフトへ履き替える1ストップが王道。しかしながら予選下位となってしまったチームの作戦はいかに?
土曜日に行なわれた予選では、トップ5をHONDAエンジンユーザーが独占。決勝がスタートするとまずはHONDA同士のバトルに。ポールの山本尚貴(TEAM MUGEN)はポジションをキープするが、2番手スタートのチームメイト福住仁嶺(TEAM MUGEN)を5番手からジャンプアップした塚越広大(REAL RACING)が3周目にオーバーテイク。トップの山本の背後まで迫る。
山本尚貴vs塚越広大、2週間前のスーパーGT開幕戦でみられたHONDAエース対決がスーパーフォーミュラでも再現される。両車ともミディアムタイヤでスタートしながらも、ソフトタイヤでスタートした後続より速いペースで周回。ソフトを履くTOYOTA勢では山下健太(KONDO RACING)が12周でピットイン、ミディアムタイヤへ交換する。決勝レースの周回数は51周、タイミングとしては早すぎるピットイン。山下は2ストップ作戦を仕掛けるのか?
そして19周終了時点で2番手の塚越もピットインし給油、ソフトタイヤへ履き替える。こちらも2ピット作戦を選択、ピットアウト後ハイペースで周回を重ね、山本にプレッシャーをかけ続ける。
HONDA勢の誤算は関口雄飛(ITOCHU ENEX TEAM IMPUL)の存在。14番手からソフトタイヤでスタートし25周目にピットイン、ミディアムへ。何と24周もソフトタイヤを持たせたことになる。チームメイト平川亮(ITOCHU ENEX TEAM IMPUL)とのミスコミュニケーションによる接触もあったが、全車がタイヤ交換すると結果的に2位まで浮上。
3番手スタートからポジションを落としていた野尻智紀(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)だが、前を走る福住のリタイアもあってレース終盤に再び3番手へポジションを回復。しかしその背後にはディフェンディングチャンピオン石浦宏明(P.MU/CERMO・INGING)の影が迫る。
山本は31周終了時に給油、タイヤ交換を行う。その後34周終了時に塚越、そして37周で山下がそれぞれ2回目のピットインを行うと山本はトップに復帰。終盤はややソフトタイヤの消耗に苦しめられたが51周の決勝レースでトップチェッカーを受けた。山本尚貴にとっては2年前の開幕戦(同じく鈴鹿サーキット)以来の勝利。
2位には関口が入り、HONDAエンジンの1-2を阻止。3位の野尻、そして4位の石浦と、HONDAユーザーとTOYOTAユーザーが四つに組み合い、2018シーズンも混戦を予感させる開幕戦の結果となった。5位には伊沢拓也(TCS NAKAJIMA RACING)、2ストップの塚越は6位入賞。
次戦は5月12,13日、大分県オートポリスで行なわれる。
(PHOTO:井上雅行)