LEXUS ADVANTAGE
予選日は濃霧の影響で通常2時間ほど行われる練習走行が僅か30分間に、そしてその後に行われる予選も20分間1セッションのみという変則的なものに。ポールは38号車ZENT CERUMO LC500、2番手6号車WAKO'S 4CR LC500というレクサスにブリヂストンタイヤの組み合わせ。3番手にミシュランユーザーの23号車MOTUL AUTECH GT-R、その背後にはまたBSを履くLC500が2台。
3番手からスタートした23号車GT-R(R・クインタレッリ)は、オープニングラップでトップに踊り出ると38号車LC500、39号車DENSO KOBELCO SARD LC500を従えリードを広げにかかる。2番手以下はレクサス同士のポジション争いが激化。これを制したH・コバライネン駆る39号車LC500が、トップを走行する23号車GT-Rへの挑戦権を獲得する。
SUBSTITUTE
そして23周目、ついに39号車DENSO KOBELCO SARD LC500(コバライネン)が23号車GT-Rをパスしてトップに浮上。110周レースのちょうど3分の1となる37周終了時にピットインし、WEC参戦の小林可夢偉の代役としてこのレースでGT500デビューとなる坪井翔へステアリングを託す。
同じタイミングでピットインした23号車GT-Rの前、トップでコース復帰した39号車LC500は、坪井が2番手23号車の松田次生と遜色ないペースで走行。その差を詰められることなくトップをキープしたまま75周まで走行し2度目のピットイン。再度コバライネンへ繋ぐ見事な仕事っぷりを見せる。昨年GT300のRC Fで2勝した実力がGT500クラスでも充分通用することを強烈にアピールした。
NISMO MAGIC
39号車の翌周に2回目のピットインをした23号車MOTUL AUTECH GT-Rは、ニスモお家芸の早業ピット作業。何と39号車LC500の前で、再びクインタレッリをコースへ送り出すことに成功する。そしてそれに応えるかのようにクインタレッリはファステストタイムを連発。トップに返り咲いただけではなく、39号車LC500に対し10秒以上のマージンを築くことに。
ポールスタートの38号車ZENT CERUMO LC500は上位2台からやや離された3位を走行。同じくフロントロウスタートで4番手を走る6号車WAKO'S 4CR LC500は、この後36号車 au TOM'S LC500にかわされ5位にポジションダウン。
IN 2 YEARS
23号車MOTUL AUTECH GT-Rがそのまま逃げ切りトップチェッカー。2017年最終戦に勝利はしているが、ここ富士SWでの優勝となると2016年の第2戦までさかのぼる。2位に39号車、3位には38号車、そして4位、5位に36号車、6号車というレクサス勢が手堅いレースを展開した。開幕戦で速さを見せたNSX勢は8号車ARTA NSXの8位が最高位。果たしてポイントランキング首位となった23号車GT-Rが3年ぶりにタイトル奪還という復活劇がなるのか、今後の展開に注目したい。
PERFECT WIN
GT300クラスはポールポジションからスタートした55号車ARTA BMW M6 GT3(高木真一/S・ウォーキンショー)が圧倒的な速さでポール・トゥ・ウィン。昨年の第5戦に続きここ富士スピードウェイで2連勝を達成した。
(PHOTO:井上雅行)