昨年10月12日に発表された「両社の協力関係の構築に向けた検討開始」から間もなく4カ月。トヨタとスズキは一歩進んで、新たに業務提携に向けた検討を開始する覚書を締結したと発表した。
昨年10月以降、トヨタとスズキは、互いが抱える課題認識に基づき、両社間で公正かつ自由な競争が行われることを前提として、課題の解決に向けて協業が可能な分野について協議してきた。今回、両社は「環境技術」「安全技術」「情報技術」「商品・ユニット補完」等に関して、協業の実現に向け、検討に入ることを合意した。協業の具体的は開始時期・内容に関しては触れられていないものの、直ちに推進体制を立ち上げ、今回合意した内容の具体化を目指していくという。
トヨタの豊田章男社長は、「『経営者である以上、チャレンジするということ、社会のために経営をするということは、いつまでたっても変わらない』。昨年10月の共同記者会見での鈴木修会長の言葉が心に響いた。これこそが『やらまいか』の精神だと感じた。遠州をルーツとする両社が『やらまいか』の精神を発揮し、世界中のあらゆる人が移動の楽しさを実感し、笑顔になれる『未来のモビリティー社会』の実現に向けて、協力していきたい。今回、スズキというチャレンジ精神溢れる会社と一緒に仕事をする機会をいただいたことに感謝している。多くのことを学ばせていただきたい。」と語った。
一方、スズキの鈴木修会長は、「将来技術の開発に懸念を抱えるスズキから求めた提携関係について、豊田章男社長の指導の下、トヨタは熱意をもって協議に応じてくれた。心から感謝したい。トヨタが示してくれた熱意に応えるべく、スズキも全力で協議に臨み、具体的な協力関係を築くスタート地点に立つことができた。全力で取り組んでまいりたい。スズキと提携したことを良かったと思っていただけるような結果を目指したい」と語った。
つまり、今後両社はリソースの共用を急速に進めて行くことになる。その成果は予想以上に早く、我々の目の前に現れるかもしれない。