JNCAPで歴代最高点を出したインプレッサ/XV
2017年4月6日、独立行政法人・自動車事故対策機構(NASVA)が発表したJNCAP衝突安全性能評価。これは乗員保護(100点満点)、歩行者保護(100点満点)、シートベルトリマインダー(8点満点)の計208点満点で評価されるものだが、スバルのインプレッサ/XVが総合評価199.7点の歴代最高点を獲得、NASVAから「衝突安全性能評価大賞」が贈られた(表彰式は5月29日)。
これは、乗員保護95.02点、歩行者保護96.07点、シートリマインダー8点満点の3項目ともに歴代最高得点となるものだ。
今回の見学会は、そうしたスバルの安全への取り組みを紹介するものだ。
64km/hでオフセット衝突してもキャビンは守られていた
まず行われたのは、オフセット前突試験。全幅の40%だけを衝突させるもので、時速64km/hでぶつかっていく。その動画をどうぞ。
オフセット衝突【動画】
これだけ激しく衝突しても、エンジンルームがクラッシャブルゾーンとなり、ドライバーも助手席側も、車室内は損傷していないことがわかるだろう。クルマは粉々だが、この状態でもドアが開いた。
実際に目の前で衝突実験が行われたのを体感すると、映像で見るよりも衝撃的。ドーンという音だけでなく、衝撃波というか圧というか、間近で見るとかなり凄惨な印象。それでも室内は守られていて、見た目、中のダミー人形に損傷はない。新型インプレッサから始まった、スバルグローバルプラットフォーム(SGP)で、シビアな衝突事故にも対応しているのが体感できた。
標準装備された歩行者保護エアバッグの効果は?
次に行われたのは、インプレッサ/XVに全車標準装備された歩行者保護エアバッグの展開試験。
日本では、歩行者と自転車の交通事故死亡者数が全体の半数と、非常に多いのが特徴だそう。もちろんフロントフード自体の歩行者対策は進化しているが、硬いAピラー部に歩行者の頭部などがあたってしまうと、非常に危険だ。それをカバーするための歩行者保護エアバッグで、エアバッグなしだと重篤障害の可能性が高い部分が22%なのに対し、エアバッグありだと0%になるという。
どんな状況にあっても、たとえ雪がボンネットに積もっていても、安定して開くように開発しているのだそうだ。
エアバッグ静展開【動画】
ただし、たとえばショッピングカートにぶつかったり、水の中に勢いよく入っていったりするような場合、こうした歩行者保護エアバッグが開く必要がないし、開くと逆に危険になる場合もある。
こうした不要なときには開かないようにしている。これは、バンパー内にあるシリコンチューブの圧力変化で、歩行者とそれ以外の衝突を判別しているのだという。また温度センサーも2つあり、気温変化にも正しく判別しているそうだ。