マラネッロの跳ね馬、その伝統をたどればフロントエンジン フェラーリの長い歴史がある。
最新モデルは、V型8気筒エンジンを搭載するFRモデルとしてデビューを飾った。(後編)前編を見逃した方はこちらから→http://web.motormagazine.co.jp/_ct/17082917
文:西川 淳/写真:フェラーリ・ジャパン

12気筒のルッソとは対照的に扱いやすいV8ツインターボ

やや危なっかしい感覚は、フェラーリのFRらしさ。腰から後ろは、リアタイヤと直結しているかのごとき一体感で、常に身体ごと力強く前へと押し出され、そのレスポンスはどんな領域でも峻烈だ。

ルッソの12気筒エンジンには高回転域まで回して楽しむという官能性があったが、ルッソT用の8気筒ツインターボはもっと機能重視であり、サーキットなどの特別ステージ以外では低回転域ですべての片がつく。何しろ最大トルクは12気筒の+60Nm以上であり、それが3000rpmから5250rpmまでフラットに続く。強力なトルク特性を利用して走ったほうが力強く、しかも右足が心地いい、というわけ。

画像: 12気筒のルッソとは対照的に扱いやすいV8ツインターボ

街乗りの扱いやすさは特筆に値する。右足をちょっと踏み込むだけで、必要にして十分なトルクが溢れ出るからだ。7速DCTとの相性は、すでにカリフォルニアTでも実証済み。ルッソTでは、制御関係がいっそう洗練された。

ただし、乗り心地は硬めに終始する。これもルッソとの大きな違いだ。とくに低速域から120km/hあたりまでが、非常に硬い。

つまり、日本で合法的な速度域にある限り、とても硬いクルマだ。F12やカリフォルニアT ハンドリングスペチアーレ(HS)によく似た乗り心地だった。

乗り心地がそうであるぶん、ドライビングファンという点でも、ルッソTはカリフォルニアTのHS級である。ワインディングロードでは、その巨体からまったく想像できないほどに、素晴らしいハンドリングマシンである。

とくに4WSの効くタイトベントの切り込みが素晴らしい。12気筒版ルッソと同じ形をしたクルマだとはまるで思えない。なるほど、マラネッロのアピールもわからない話ではない。高速クルーズは、ルッソほどではないにしろ、落ち着いていた。

ロングホイールベースと4WSのおかげである。ただし、この曲がりたがるクルマを駆って雨の高速道路を走るのは、他のFR系跳ね馬と同様、ちょっとカンベンして欲しい、とも思ってしまう。そこまで考えて、ルッソTこそ、FRのフル4シーターモデルの正統な後継モデルではないか、と思うに至ったのだ。

画像: フェラーリ GTC4 ルッソT主要諸元表(EU準拠)

フェラーリ GTC4 ルッソT主要諸元表(EU準拠)

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