BMW Mシリーズの変革の波を、Motor Magazine誌が徹底検証。M史上初の「V型12気筒」搭載モデルとなった『M760Li xDriVe』の公道インプレッション(後編)は、プレミアムサルーンとしてのおもてなし性能にも迫ってみた。(文:こもだきよし/写真:小平 寛)
画像: 900Nmという膨大なトルクを4WDで確実にトルクに変える。イニシャルのトルク配分はややリア寄りだ。

900Nmという膨大なトルクを4WDで確実にトルクに変える。イニシャルのトルク配分はややリア寄りだ。

本気のスポーツモデルたちを置き去りにする4秒切り

画像: Mモデルとしては初めてのV12気筒エンジンを搭載、8速ATとの組み合わせで圧巻の加速を体感させる。

Mモデルとしては初めてのV12気筒エンジンを搭載、8速ATとの組み合わせで圧巻の加速を体感させる。

欧州の諸元表には、パフォーマンスを判断するスタンダードとして0→100kM/h加速タイムがある。たとえばM3やM4は4.3秒、M5やM6は4.2秒にそれぞれ達するが、4秒を切ることは難しい。ところがM760Liはなんと! 3.7秒をマークしているという。ここでも、やはり4輪駆動車ならではのメリットが生きているのだ。

アクセルペダルを踏み込んだ瞬間から、圧巻のスタートダッシュを涼しい顔で決める。これぞM760Liのドライバーにとって至福の瞬間に違いない。もちろん、ホイールスピンのような無粋な様は無用だ。これみよがしではないのに「4秒切り」。だから、カッコいい。

画像: プレミアムサルーンとは思えない、図太いエキゾーストノートを発しながら猛烈な勢いで加速する。

プレミアムサルーンとは思えない、図太いエキゾーストノートを発しながら猛烈な勢いで加速する。

もうひとつ、12気筒の魅力をダイレクトに感じることができるのが、エキゾーストサウンドだろう。レイアウト的にはパイピングの途中に電動フラップが配されていて、走行モードによってエンジンサウンドが変わる仕掛けもある。

とくにスポーツモードを選んでいると、かなり野太いサウンドが車内にも聞こえてくる。それはたとえば、M5のV8とはまた違う、いかにも7シリーズにふさわしい「スポーツ性」を楽しませてくれるものだ。

時々、夢見心地のおもてなしスペース。くつろぎ感を、自由自在に選べる。

画像: メインメーターは12.3インチのマルチディスプレイメーター、中央に10.2インチディスプレイが配置されている。

メインメーターは12.3インチのマルチディスプレイメーター、中央に10.2インチディスプレイが配置されている。

そうしたスポーツサルーンとしての高性能を誇る一方で、ラグジュアリーサルーンとしてのプライドの高さも、もちろん半端なものではない。

とくに驚かされたのは、乗り心地の良さだった。「アダプティブドライブプロ」と呼ばれるシステムが有効に働いている。前後アクスルがエアサスペンションになっていて、ダイナミックダンパーコントロールとの連携により、乗り心地と安定感を常に最適制御してくれるのだ。現状では、クラス最高の快適性だろう。

エアサスペンションの採用により車高調整も可能で、スポーツモードで走るときには自動的に10mm低くなっている。また悪路に入るときには30mm高くなるモードを選べばいい。このあたりの万能性でも、最上級サルーンとして妥協はない。

画像: 後席シートはオットマンやマッサージ機能までついて、くつろぎ感とまったり感がたっぷり。

後席シートはオットマンやマッサージ機能までついて、くつろぎ感とまったり感がたっぷり。

「Li」というグレード名でわかるとおり、ホイールベースは通常のラインナップに対して140mm長い。恩恵はもちろん、リアのパッセンジャースペースの余裕に繋がるただ足元が広いというだけではない。格納式のオットマンが設置されているほか、後席からの操作で助手席を90mm前方にスライドさせることもできる「エグゼクティブ ラウンジシート」など、7シリーズの中でも最高峰に位置するモデルとして、さまざまなおもてなしが標準装備されている。

「素直な高性能」こそ大人のサルーンにふさわしい味付け

画像: M760Liは6.0LのV12を搭載。同じ価格帯のメルセデスベンツ AMG S63ロングは5.5LのV8になる。

M760Liは6.0LのV12を搭載。同じ価格帯のメルセデスベンツ AMG S63ロングは5.5LのV8になる。

画像: 後席の広さは、もはや甲乙つけがたいレベル。ハイテク感ではやはり、M760Liに軍配が上がる。

後席の広さは、もはや甲乙つけがたいレベル。ハイテク感ではやはり、M760Liに軍配が上がる。

7シリーズの頂点に“M”を冠したモデルが登場したことで、メルセデスベンツSクラスのAMGモデルとの対決がますます面白くなってきた。ライバルにはV12ツインターボを搭載したS65ロングもあるが、2400万円後半の価格帯でM760Liと直接競合するのは、AMG S63ロングだろう。V8 5.5Lツインターボを搭載し、585psの最高出力と900Nmの最大トルクを誇る。駆動方式も同じ4WDだ。

乗り比べるとS63はアクセルペダルのゲインが高く、少し踏み込んだだけでもグイグイと前に加速していく「傲慢感」がより強い。それが楽しいという考え方もある。けれど時に扱いにくいことも事実だ。その点でM760Liは、さまざまなシチュエーションでより最適なコントロールがしやすい「素直な高性能」を実現している。

「大人のゆとり」を満喫することもまた、最上級モデルならではの贅沢、と言えないだろうか。

画像: 試乗車のボディカラーは、フローズン・ダーク・ブラウン。プラス51万1,000円の特別色だ。

試乗車のボディカラーは、フローズン・ダーク・ブラウン。プラス51万1,000円の特別色だ。

BMW M760Li xDrive おもてなし装備・画像集

画像: 「ウエルカムライト」の演出も半端なく贅沢。光のストライプがお出迎え。

「ウエルカムライト」の演出も半端なく贅沢。光のストライプがお出迎え。

画像: パノラマサンルーフなど、随所にイルミネーションを装備。艶かしい「大人の時間」が楽しめそう。

パノラマサンルーフなど、随所にイルミネーションを装備。艶かしい「大人の時間」が楽しめそう。

画像: 取り外し可能な7インチタブレット「BMWタッチコマンド」を装備。後席シートポジションなどの調整のほか、インフォテインメントの制御もできる。

取り外し可能な7インチタブレット「BMWタッチコマンド」を装備。後席シートポジションなどの調整のほか、インフォテインメントの制御もできる。

BMW M760Li xDrive 主要諸元

●サイズ=5250×1900×1485mm ●ホイールベース=3210mm ●車両重量=2320mm
●エンジン=V6DOHCツインターボ 6592cc ●最高出力=610ps/5500-6500rpm
●最大トルク=800Nm/1550-5000rpm ●車両価格=2,466万円

新型M760Li xDrive の主な標準装備品(おもてなし編)

■ BMW コネクテッドドライブ・スタンダード
・ BMW SOS コール
・ BMW テレサービス
■ BMW コネクテッドドライブ・プレミアム
・ BMW ドライバー・サポート・デスク
・ BMW リモート・サービス
・ BMW コネクテッドドライブ・サービス
■ BMW サービス・インクルーシブ・プラス(3 年メインテナンス・パッケージ)
■ ウェルカム・ライト・カーペット
■ ソフト・クローズ・ドア(フロント&リヤ)
■ オートマチック・トランク・リッド・オペレーション(オープン/クローズ)
■ コンフォート・アクセス(スマート・オープン/クローズ機能付)
■ 専用マルチ・ディスプレイ・メーター・パネル
■ 4 ゾーン・オートマチック・エア・コンディショナー
■ フロント・コンフォート・シート
■ フロント・アクティブ・ベンチレーション
■ エグゼクティブ・ラウンジ・シート(5 人乗り)
■ リヤ・コンフォート・パッケージ・プラス
・ スカイ・ラウンジ・パノラマ・ガラス・サンルーフ
・ ヒート・コンフォート・パッケージ
・ リヤ・マッサージ・シート
■ BMW Individual フル・レザー・メリノ・インテリア
■ アルカンタラ・ルーフ・ライニング
■ ドア・シル・プレート(V12 ロゴ付)
■ アンビエント・ライト
■ アンビエント・エア・パッケージ
■ HDD ナビゲーション・システム(VICS3 メディア対応)
■ 10.2 インチ・ワイド・コントロール・ディスプレイ(タッチ・パネル機能付)
■ iDrive コントローラー(コントロール・ディスプレイ用、ダイレクト・メニュー・コントロール・ボタン、タッチ・パッド付)
■ インテグレイテッド・オーナーズ・ハンドブック
■ 地上デジタルTV チューナー(12 セグ/ワンセグ自動切替)
■ USB オーディオ・インターフェース
■ ワイヤレス・チャージング
■ Bowers&Wilkins ダイアモンド・サラウンド・サウンド・システム(1,400W、16 スピーカー、10 チャンネル・サラウンド)
■ ハンズフリー・テレフォン・システム
■ ITS スポット対応DSRC 車載器(ルーム・ミラー内蔵、ETC 機能付)

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