ライバル車はどんな感じ?
この3月1日に発表/発売された、三菱の新型コンパクトSUV、エクリプスクロス。三菱のSUVラインアップとしては、RVRの上、アウトランダーの下、という位置づけになる。
スリースペックは4405×1805×1685mm。この、4405mmという全長を考えると、国産車のライバルは結構微妙で、Bセグメント級のCX-3(全長4275mm)/ヴェゼル(4295mm)/C-HR(4360mm)よりも大きく、CX-5(4545mm)/フォレスター(4595mm)/エクストレイル(4690mm)よりも小さい・・・という立ち位置になってくる。
コンセプトモデルという名目で、もう1年ほど前からその容姿をいろいろな場所で目にしていたから、そのクーペフォルムのデザインを見て驚きはなくなったけれど、それでもお日さまの下で見るエクリプスクロスはシャープでスタイリッシュだ。
クラスを超えた静けさ
さっそく乗り込んでエンジンを始動、走り出す。
まず特筆すべきは、その静粛さだ。
1.5L直噴ターボエンジンはアイドリングストップ機能も付いているのだが、アイドリング中でもエンジンがかかっているのを回転計で確認して初めてわかる・・・というくらい静かだし、振動も感じない。
走り出しても、その静粛性は変わらない。静かすぎて逆にタイヤのノイズが気になってくるほどだ。
運転している限りは、乗り心地もマイルド。さらにSUVながら車高を1685mmと抑えているため、ロール感も自然。また計算され尽くしたボンネットフードの高さやドライバーのアイポイントなどで、車両感覚が掴みやすいのも良い。
三菱としては初となるこの1.5Lダウンサイジングターボエンジンだが、なんというかもう「熟成された」感じすらある。150ps/240Nmのスペックなので、線の細さもなく扱いやすい。
組み合わされるトランスミッションはCVT。これもエンジンとのマッチングを相当詰めた感じがある。試しにアクセルを大きく踏み込んでも、CVT特有の「回転だけ上がって加速感がない」という現象も出ず、かなりリニアに加速していく。これは人間の感覚にマッチしている。
街乗り/高速走行ともに良かったが、アップダウンのあるワインディングが続く芦ノ湖スカイラインでは、DモードだとCVT感が顔を出すときがあった。それでもパドルシフトを駆使して8速スポーツモードで走れば、なかなかスポーティな走りも楽しめる。
こんなにスタイリッシュなSUVなのに、その走りは三菱のモデルらしくとてもマジメ。ライバル車にはハイブリッドやディーゼルモデルもあるけれど、エクリプスクロスの1.5L直噴ターボエンジンは軽快で気持ち良いもの。久しぶりのニューモデル、三菱の気合いが入った1台だ。
試乗車:三菱 エクリプスクロス Gプラスパッケージ(4WD)
●サイズ=4405×1805×1685mm ●ホイールベース=2670mm ●車両重量=1550kg ●エンジン=直4DOHCターボ 1498cc ●エンジン最高出力=150ps/5500rpm ●エンジン最大トルク=240Nm/2000-3500rpm ●トランスミッション=CVT ●309万5280円