2月1日に発売された、6代目となるワゴンRの試乗会が開催された。従来の「Sエネチャージ」から進化した「マイルドハイブリッド」を搭載した新型ワゴンR、その走りはどうなった?
画像: 【最速試乗】新型ワゴンRの走りはどうよ!? ハイブリッドFZのインプレッション 2017年2月14日

正直、「軽自動車って走りは二の次じゃん!」なんて思っていましたごめんなさい。今回は先代モデルとの違いは誰でも分かるレベルです。そのキモは、やはり微低速時。「ハイブリッド」と名乗っているだけありました。

調整幅が大きい運転席。自分に合うドラポジにできる

今回、試乗したのは、ワゴンR ハイブリッドFZのFFモデル。

ワゴンRハイブリッドFZ(2WD)は、52ps/60Nmを発生する直3自然吸気エンジンに3.1ps/50Nmのモーターを組み合わせたモデル。FFで燃費が33.4km/Lと、これ軽ワゴンとしてナンバーワンの好燃費なんだそうです。

画像: 調整幅が大きい運転席。自分に合うドラポジにできる

フロントシートに腰掛けてからシート調整。見た目はベンチシートですが、きちんとサイドもサポートされています。座り心地もマイルドで良いですね。

シート調整の幅もワイドでグッドです。チルトは上下35mm、シートリフターは前後50mm上下60mm、シートスライドは240mmあるので、身長140cm台の女の子から180cm台の男性まで、ピタッとくるドライビングポジションにできるのはコレ、相当評価が高いと思います。

エンジンを始動し、いざ出発。
いやー、開放感に溢れていますね。見切りも良く、狭い道でも運転がしやすいです。サイドガラスのウエストラインも、高くもなく低くもない絶妙な高さで、視界の良さと包まれ感が同居しています。

一般道での細かいギャップは上手くいなしているのがわかります。不快な突き上げはなく、乗り心地はなかなかマイルド。これは新プラットフォーム「ハーテクト」採用や、リアのトーションビーム式サスペンションの採用などで、全体では軽量化しながらもトータルで剛性の高いボディを得たことに起因しているようです。軽自動車の走りというよりも、もうひとつ上のクラスの印象があります。

小回り性も高いですね。4.4mの最小回転半径・・・と聞いてもピンと来ないと思いますが、ハンドルのロックtoロックは4回転ありましたから。狭い場所でのUターンなんかも、グルグルッと一発でできるイメージです。

画像: 試乗車のタイヤは155/65R14サイズのブリヂストン・エコピアEP150。

試乗車のタイヤは155/65R14サイズのブリヂストン・エコピアEP150。

ノンターボエンジン+モーターでもよく走る

実際、自然吸気エンジンでもなかなかよく走ると感心しました。とくに40km/hくらいで走行しながら加速したいとき(中間加速のとき)に、アクセルを踏むときちんとついてきてくれます。これはモーターのアシストということでしょう。

今回は街乗りのみの試乗会だったので、正直、高速道路などでの走りはわかりませんが、結構NAエンジンでもよく走る印象でした。

画像: ノンターボエンジン+モーターでもよく走る

今回フルモデルチェンジの特徴は、「モーターによるクリープ走行が可能」になったこと。この機能だけで、先代との違いがハッキリと見て取れます。「軽ワゴンNo.1の低燃費」というキャッチに間違いはありません。エンジンが停まった状態で走行できる・・・って、エコ志向のユーザーは満足すると思います。

モーターは、先代ワゴンRのSエネチャージ時代の2.2ps/40Nmから、新型ワゴンRのハイブリッドでは3.2ps/50Nmに、出力/トルク向上を果たしています。また搭載するリチウムイオンバッテリーも、先代の電力量36Wh、容量3Ahから、新型では電力量120Wh、容量10Ahに大型化されています。

ただし、プリウスなど他のハイブリッドモデルのようにEV走行ができる・・・というのとはちょっと違います。
減速→停車、停車→発進のとき、エンジンが停止してモーターのみで走ることができる、ということですのでお間違えなく。時速13km/h以下のクリープ時に最長10秒、モーターによる走行です。あくまでも。

モーター走行可能=静か、と思いきや・・・

これだけ聞くと、非常に静かな走行のイメージを持つと思いますが、じつは運転していてそれほど「静か」とは感じません。エンジンは停まるんですが、走行中に車両の接近を知らせる「ミャー」という通報音が鳴ります。これはプリウスなどとも一緒です。ただし、この音が室内に届いてきます。

これは、遮音性というよりもむしろ、軽自動車特有の「ボンネットの短さ」に起因するようですね。フロント先端部に車両接近通報装置があるんですが、それと室内までの距離が短いので、どうしても大きく響いてしまうみたいです。


街乗りレベルでは、運転のしやすさや乗り心地の良さに満足した反面、タイヤノイズの一種である「ゴー音(低周波音)」がちょっと気になりました。

細かいところに注文を付けましたが、全体的にはやっぱり正常進化。軽自動車ユーザー、とくにワゴンRユーザーは、この新型ワゴンRにはかなり高い評価をするんじゃないかと想像します。

初代ワゴンRの持っていた「道具感」を現代で解釈したらこうなった・・・という感じが好印象の1台でした。

唯一のターボエンジンモデル、新型ワゴンRスティングレー・ハイブリッドTのインプレッションは、こちら。

画像: デュアルセンサーブレーキサポートはセーフティパッケージ(5万9400円)のオプション。

デュアルセンサーブレーキサポートはセーフティパッケージ(5万9400円)のオプション。

主要諸元(スズキ・ワゴンR ハイブリッドFZ 2WD)

全長×全幅×全高=3395×1475×1650mm
ホイールベース=2450mm
車両重量=790kg
エンジン=直3DOHC 658cc +モーター
エンジン最高出力=38kW(52ps)/6500rpm
エンジン最大トルク=60Nm(6.1kgm)/4000rpm
モーター最高出力=2.3kW (3.2ps)/1000rpm
モーター最大トルク=50Nm(5.1kgm)/100rpm
トランスミッション=CVT
JC08モード燃費=33.4km/L
最小回転半径=4.4m
車両価格=135万円

This article is a sponsored article by
''.