気になるのはCLSシリーズとの差別化だ
メルセデス・ベンツやsmartブランドを擁するダイムラーは、ちょうど1年前のジュネーブ国際モーターショー2017で、AMGブランド50周年記念モデルとしてメルセデス・AMG GTコンセプトを発表していた。迫力のあるフロントマスクや、流麗な4ドアクーペのスタイリッシュフォルムなど、AMGのハイパフォーマンスさを感じられるものとなっていた。
そして今年2018年のジュネーブショーでその市販モデルと思われる、メルセデス・AMG GT 4ドアクーペを世界初披露した。最高出力は最上位グレードで639psを誇る4ドアクーペだ。名前のとおり「メルセデス・AMG GT」の4ドア版。前評判から、相当にスパルタンな姿をイメージしていたが、登場した実車は顔つきこそ猛々しいが、全体としては「けっこう普通」。街中でも違和感なく溶け込めることだろう。欧州での発売は2018年夏頃を予定しているという。
ちょうどBMWからもライバルとなる「M8グランクーペ」のコンセプトが登場していることから、ラグジュアリー&ハイパフォーマンスという、このクラスが盛り上がるに違いない。
ちなみに、このメルセデス・AMG GTには3つのグレードを用意するとアナウンスされている。4L V8ツインターボを搭載したメルセデス・AMG GT 63 4MATIC+とメルセデス・AMG GT 63S 4MATIC+、さらに3L 直6ツインターボのMercedes-AMG GT 53 4MATIC+となる。
63シリーズのエンジンは4L V8ツインターボ。シリンダーバンク内にタービンをふたつ配置することでアクセルレスポンスを向上させているという。スペックはGT 63Sで639ps/900Nm、GT63で585ps/800Nmとなる。53シリーズは、3L直6エンジンと電動ターボ/排気ターボを配置したツインターボ(435ps/520Nm)、マイルドハイブリッド(22ps/250Nm)を組み合わせたパワーユニットだ。
ちょっと気になったのは、メルセデス・AMG CLSとのすみ分けだ。AMG GTのボディサイズは公表されていないものの、どちらも4ドアクーペだ。AMG GTがよりスポーティな味付けになると思われるが、イメージが近くないだろうかと心配になってしまう。