4月18日に発表されたダンロップの新ミニバン専用エコタイヤ「エナセーブRV505」。どんなタイヤに仕上がったのか、従来モデルと比べてどのように進化したのか。岡山県美作市にある住友ゴム岡山タイヤテストコースで試走会が行われた。

エナセーブRV505ってどんなタイヤ?

エナセーブRV505は、4月18日に発表、6月1日より発売される、ダンロップブランドのミニバン専用エコタイヤだ。

新開発の「FUNBARI TECHNOLOGY(ふんばりテクノロジー)」を採用することで、多人数乗車でのコーナリングの際や、高速走行での不意な横風で発生するミニバン特有のふらつきを抑制し、従来モデルであるエナセーブRV504に対し耐ふらつき性能を19%向上、安定した直進性やコーナリング性能を実現するという。

また、ダンロップの最新モデルらしく、ロングライフなのも特徴だ。耐摩耗性能は53%アップしているという。さらに静粛性能もアップ。リリースを見る限り、従来タイヤよりも全方位的に性能を向上させてきたのが特徴といえる。

また発表した段階で13インチから20インチ、35〜70シリーズまで全48サイズを揃えているので、軽のハイト系ワゴンからインチアップしたドレスアップミニバンまで、幅広い車種に対応している。ラベリングは39サイズが「AA-b」、9サイズが「AA-c」となっている。

エナセーブRV505の詳しい技術説明はこちら

画像: 2019年4月18日発表、6月1日から発売されるダンロップの新ミニバン専用エコタイヤ「エナセーブRV505」。

2019年4月18日発表、6月1日から発売されるダンロップの新ミニバン専用エコタイヤ「エナセーブRV505」。

画像: 左がタイヤ幅205以下の「3リブパターン」、右がタイヤ幅215以上の「4リブパターン」。

左がタイヤ幅205以下の「3リブパターン」、右がタイヤ幅215以上の「4リブパターン」。

テストコースで新旧タイヤの違いを見る

最初にテストコース内で、新しいエナセーブRV505と、従来品であるエナセーブRV504を比較してみる。テスト車はトヨタ・アルファードで、全車タイヤは235/50R18 97Vサイズを履いていた。

まずは、従来品のRV504から。このアルファードには多人数乗車を想定し、2/3列目にトータル160kgの重しを載せている。

直線で100km/hまで加速しレーンチェンジを行うと、グッとコーナリングパワーが発生。さすがにミニバン専用だけあって、揺り戻しも少ない。そのまま周回路のカーブに進入する。ここでも、グラッとせずにグッと踏ん張ってコーナーを曲がっていくイメージだ。

直進性も悪くない。ハンドルセンター付近の座りは良いが、どちらかというと中立の無感領域が少なめで、思いのほかキビキビとした走りの印象となる。

画像: 高速でのレーンチェンジでは、揺り戻しが少なく一発で収束する。

高速でのレーンチェンジでは、揺り戻しが少なく一発で収束する。

続いて、新商品のRV505に乗り代える。こちらもRV504と同じ重量の重しを載せ、積車状態を再現している。

まず違いを感じるのは、乗り心地のマイルドさと静かさだろう。路面に対してそっと接地していくような、ダンロップのコンフォートタイヤ「ル・マン ファイブ」の味に似たマイルドな乗り心地を実現している。ノイズに関しても、「サー」というパターンノイズ、「ゴー」というロードノイズともに従来品より抑えられていて、コンフォート性能はかなり向上しているのがわかる。

直進時の外乱によるふらつきも、うまく抑えられていて好印象だ。ハンドルの中立付近もマイルドで、あまり意識しなくても真っ直ぐに走ってくれる。

面白いのはコーナリングのとき。従来品RV504で感じたような「ガツッ」としたグリップ感覚は薄くなっているにもかかわらず、実際の安定感は向上している。RV504ではコーナリング時に「頑張ってる感」があって、そこからさらに舵を当てていくとハンドルをこじるようなイメージになっていくが、新製品のRV505では、同じ速度/同じコーナー曲率でももっとラクに正確に、安定した姿勢で曲がっていく。

ともすれば、曲がっていくときの手応え=タイヤがふんばっている感覚、は、従来品のほうがより実感できるという人もいるかもしれない。ミニバンの重量を支え、ふらつきを抑えてしっかり曲がる、というコンセプトのミニバン専用タイヤは各タイヤメーカーから発売されているが、じつはこれらはRV504のような、硬めの乗り味のタイヤが多い。新タイヤのRV505は「マイルドな乗り味なのにふらつかず、しっかりと曲がる」という、新しい感覚のミニバン専用タイヤのように思える。コーナリングではタイヤ全体のたわみを上手く使いながら、4つのタイヤが均等に働いているイメージで、乗り心地にカドがない。

画像: コーナリング時は安定した姿勢で曲がっていく。

コーナリング時は安定した姿勢で曲がっていく。

一般道での乗り味を体感する

続いて、住友ゴム岡山テストコース周辺の一般道で試走した。

まずは195/65R15 91Hサイズを装着したノアから。やはり最初に感じるのはそのマイルドな乗り心地と静けさだ。アスファルトの荒れた路面でもノイズの音質変化が少なく、心地よい室内空間となる。路面ギャップもストンと一発でいなす。

ハンドルにフィードバックされる操舵力は軽めだが、素直なハンドリング特性のために舵角がピタッと一発で決まるため、ムダな操作が少なくなる。同サイズのカングーで走行しても、印象は同等。タイヤ特性からくるハンドリングのマイルドさと、ルノーらしい粘りのあるサスペンションの相性が良く、とくにカングーとのマッチングは非常に良く感じた。

画像: 195/65R15サイズのエナセーブRV505を履いたルノー・カングー。

195/65R15サイズのエナセーブRV505を履いたルノー・カングー。

215/55R17 94Vサイズのトゥーランでも、その印象は変わらない。ノア/カングー装着の195サイズは3リブ、トゥーランの215サイズは4リブと、同一の商品なのにトレッドパターンは異なっているが、トガったところがなく円みのある乗り味という感覚は、どのサイズに乗っても同じだ。

最後に、155/65R14 75Hサイズを履いたスペーシアに乗る。トレッド幅と車高のバランスからいえば、小型車/普通車のミニバンよりも軽ハイト系ワゴンのほうが、よりふらつきが多くなる傾向にあるから、スペーシアのような軽ハイトワゴンにこそ、ミニバン専用タイヤのメリットを享受できるはず。RV505の軽めのハンドル操舵感は、乗り始めこそ不安になるが、オンザレール感覚は確かに交差点をゆるい速度で曲がるときにもわかる。

画像: スズキ・スペーシア。

スズキ・スペーシア。

もちろん今回は試せなかったが、耐偏摩耗性能が、従来のRV504と比較して53%向上しているのは朗報だ。ロングライフというのは、近年ダンロップの低燃費タイヤが追い求めている性能のひとつ。単純に考えれば、タイヤメーカーが長持ちするタイヤを作れば履き換えるタイミングが遅くなり、結果としてタイヤが売れなくなるのでは? という素朴な疑問に対し、住友ゴムの関係者は「そのことで、他メーカーのタイヤからダンロップに換えてくれれば。うちとしてはそれが狙いです」と話す。

今回登場したエナセーブRV505は、そのロングライフも含め、性能バランスをうまくまとめあげたミニバン専用タイヤに仕上がっている。

画像: 車高が高く重量が重いミニバンや軽ハイト系ワゴンユーザーは、この新しいミニバン専用タイヤを試してもらいたい。

車高が高く重量が重いミニバンや軽ハイト系ワゴンユーザーは、この新しいミニバン専用タイヤを試してもらいたい。

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