フルハイビジョンを超える高解像撮影が可能
なかなか収束しないコロナ禍にあって、移動方法を公共交通機関からマイカーに切り替えた人が増えたと聞く。となると、移動中に発生するさまざまなアクシデントへの対応が欠かせなくなる。そして、そのリスク低減に役立つアイテムとして人気を呼んでいるのがドライブレコーダーだ。
そうした中、カーAVのトップブランドのパイオニアが最新スペックを備えたドライブレコーダー「VREC-DH300D」を発売した。開発にあたっては、ユーザーの要望をリサーチした上で、性能や使い勝手に徹底してこだわったという。今回はその実力を試した。
本機はフロントとリアにカメラを備えた、いわゆる「前後2カメラ型ドライブレコーダー」だ。まず、そのカメラ部に注目したい。フロントにはフルハイビジョンを超える高解像度撮影を可能にする約370万画素のイメージセンサーを採用。リア用も約200万画素のセンサーを搭載しフルハイビジョン記録が可能となっている。
解像度を高くする理由は、対象を鮮明に撮影することが目的だ。たとえば撮影した映像から相手のナンバーを読み取れるかどうかは大きな要素となり、高解像度化はドライブレコーダーとしての基本性能向上に直結するというわけだ。
しかもそのセンサーには、夜間での高感度撮影で評価が高いSTARVIS技術を搭載したソニー製のCMOSセンサーを前後に採用する。組み合わせるレンズもフロントがF1.4、リアがF1.8と明るく、低照度下でも鮮明な撮影ができるようにしている。
撮影した映像を確認してみると、白とびや黒つぶれが気にならず、環境の変化に対してきちんと追従しているのがわかる。解像度も十分に高く、全体としてかなりシャープな印象で、十分な車間距離を保った状態でも先行車のナンバーがはっきりと認識できている。画角も広いので、信号待ちをする歩行者や車両など、周囲の状況まできちんと記録されていた。
操作のしやすさも特徴のひとつだ。本体右側には4つのボタンが並ぶが、そのボタンの役割が液晶画面上に表示されており、どのボタンを押せばいいのかがすぐにわかるのだ。
さらに、ここぞ! というシーンに遭遇したときに使うのがイベント録画。これは上書きされないフォルダに自動保存するドライブレコーダーの定番とも言える機能だが、これも本機はボディ上の、デジカメで言えばシャッターボタンの位置のボタンを押す。まさにデジカメのような操作感覚で記録したい映像が保存されるようになっているのだ。もちろん、衝撃を感知した時は自動的にイベント記録として保存されるのは言うまでもない。
また「SDカードフォーマットフリー」機能も搭載して記録エラー発生も未然に防止している。さらに、別売で高耐久を実現したマイクロSDカードもラインナップし、これと組み合わせて使えばドライブレコーダーとして記録への信頼性はさらに高まることになる。
モニターは大きめな3.0インチが採用され、記録した映像を再生した際にもナンバーの確認にも問題なく対応できる。これならいざというときの再生でもしっかり役立ってくれることだろう。
そして推したいのが本機のデザインだ。本体はマットブラックとピアノブラック塗装が組み合わされ、まるで高級コンパクトデジカメを思わせる格好良さと高品質感がある。これが車内でさり気ない存在感として伝えてくるのだ。それだけに本機の控えめで質感のあるデザイン性を高く評価したい。
多くのドライブレコーダーが運転支援や様々な補助機能を追加して多機能を謳うが、「VREC-DH300D」はドライブレコーダーとしての十分な機能を備えて質実剛健な造り込みにこだわった。基本に忠実な一台を選びたい人にとって最良の選択となるに違いない。販売価格も前後2カメラとしてはリーズナブルな価格帯に収まっており、その意味でも本機はこの夏の「台風の目」的な存在になることは間違いないだろう。
カロッツェリア VREC-DH300D 仕様
■本体(フロントカメラ)
撮像素子:車載用高感度CMOSセンサー
記録媒体:microSDHC/microSDXCカードclass10(16GB~128GB)
画素数:約370 万画素
画角:135度(対角)
F値:F1.4
録画モード:2560×1440P/1920×1080P
GPS:搭載
Gセンサー:3軸Gセンサー(7段階レベル設定可)
ディスプレイ:3.0インチカラー液晶
フレームレート:27.0fps
動画圧縮方式:MP4(H.264)/MOV(H.265)
電源:DC5V
■リアカメラ
画素数:約200万画素
画角:128度(対角)
F値:F1.8
録画モード:1920×1080P
価格:オープン
(実売2万6000円前後 ※編集部調べ)