レーシングシートでは国内最大手メーカーの「ブリッド」と世界的レーシング・コンストラクターの「童夢」が業務提携し、CFRP(炭素繊維強化プラスチック)製を使用したレーシングシート「ハイパー」を製造販売する。
レーシングシートの最新世界安全基準(FIA8862-2009)の過酷な試験をクリア
世界安全基準(FIA8862-2009)とは、FIA世界自動車連盟が定めた最新のレーシングシートの安全規格である。これはル・マン24時間レースを主催するフランス西部自動車クラブが定めた車両規則、LMP(ル・マン・プロトタイプ) 車両のモノコック荷重テストと同等の強度を立証する過酷な試験だという。しかもこの試験を実施できるのは、世界でもイタリアにあるニュートン社のみ。この試験に合格したメーカーは童夢をはじめ、ブリッド、レカロ、OMP、スパルコ、サベルトと数えるほどしかないそうだ。
2017年1月から「ハイパー」の受注を開始
夏のレースには不可欠のベンチレーション機能を搭載し、かつこの規格をクリアしたレーシングシートは、現在「ハイパー」のみだという。これまでのレーシングシートは日本人を含めたアジア人の体型にはマッチしないことが多かったが、ハイパーはアジア人の体型に合わせた専用設計としている。レーシングシートは厳しい基準をクリアしなければならないので高額になるのは当然だが、正直これほど高いとは思っていなかった。ちなみにハイパーの価格は、シート本体で1,296,000円、スライドレールブラケット260,000円、クーリングダクト28,600円となっている。