612ps/850Nmのパワー&トルクを自在にコントロール
2016年7月にセダンが日本へ上陸して以来、着々とバリエーションを増やしているメルセデス・ベンツEクラスだが、クーペと同時に史上最強のEクラスである「メルセデスAMG E63 S 4MATIC+」を発表した。
搭載エンジンはAMGによる4L V8DOHC直憤DOHCツインターボで型式は“M177”となる。これはメルセデスAMG GTとCクラスの63エンジンと基本的に同じもので、現在のSクラスやCLSの63のものとは異なる。後者は同じV8DOHCツインターボながら排気量は5.5Lある一世代前の“63”用エンジンだ。
さらにEクラスに搭載されたM177は他のモデルよりもハイパワーで、最高出力は612ps、最大トルクは850Nmを誇る。これは従来モデル比でプラス27ps、50Nmで、0→100km/h加速はわずか3.4秒(従来モデル比-0.2秒)を達成している。しかもAMGシリンダーマネジメントにより、「Comfort」モードで走行中でエンジン回転数が1000〜3250rpmという低負荷時には4つのシリンダーが休止して燃費を稼ぐ。
また、AMGスピードシフトMCTは63シリーズ初となる9速トランスミッションとなった。従来は7速だったが9速になったことで、走行状況に応じてより最適なギアを選択することができるようになり、それは低燃費やスムーズな走り、さらにはレベルの高いスポーティな走りの実現にひと役買うというわけだ。
そして「AMG 4MATIC+」も注目のシステムだ。これは状況によって前後の駆動力を50対50から0:100の範囲で配分するものだが、サーキットなどで完全な後輪駆動にして走りが楽しめるように「ドリフトモード」が新たに設定された。また、これとは別に「AMGダイナミックセレクト」によって、「Comfort、Sport、Sport+、Individual、RACE」の5つのモードが選べるのは従来どおりだ。
内外装のデザインはハード面の進化に呼応してブラッシュアップされ精悍そのものだが、注目ポイントはメルセデスAMGのセダンとして初めて、ボンネットをフェンダーとバンパーの内側にはめ込むクーペ的なものにしたことだ。さらに通常のEクラスセダンよりワイドフェンダーになっていることも特徴的だ。
高性能振りが際立つメルセデスAMG E63 S 4MATIC+だが、ゆったりと走りたいというときはそれにも応えてくれる。このところのメルセデスAMGは非常に懐が深いというのもアピールポイントだ。
メルセデスAMG E63 S 4MATIC+ 主要諸元
全長×全幅×全高:4995×1905×1460mm
ホイールベース:2940mm
エンジン種類:V8DOHCツインターボ
最高出力:612ps/5750-6500rpm
最大トルク:850Nm/2500-4500rpm
ブレーキ:4輪Vディスク
タイヤ前・後:265/35R20・295/30R20
車両価格:17,740,000円