3000kmを走行する過酷なレース
ブリヂストン・ワールドソーラーチャレンジ(BWSC)は、オーストラリア大陸3000kmを5日間ないし6日間かけて縦断する、ソーラーカー最高峰のレース。1987年に第1回が開催されて以来、今年で30周年を迎える歴史あるレースでもある。
ブリヂストンは2013年からこの大会の冠スポンサーを務め、日本の4チームを含め合計11チームにソーラーカー用タイヤを供給している。
そんななか、ブリヂストンがタイヤ供給を行う、工学院大学と名古屋工業大学の2チームのソーラーカー走行会が、7月15日にブリヂストンの栃木プルービンググラウンドで行われた。
BWSCのクラス区分は3つあるが、工学院大/名工大ともにチャレンジャークラス(タイヤ4輪/ドライバー1名の条件の下、速度を重視したデザインの車両で目的地までの順位を競う、メインとなるクラス)での参戦となる。
名古屋工業大学…双胴式車両「ホライゾン17」
名工大のソーラーカー「ホライゾン17」は、多くのチャレンジャークラス車が採用するカタマラン(双胴式)車両で参戦する。
走行会当日はまだソーラーパネルが装着されておらず、バッテリーのみでの走行テストとなったが、クルマの仕上がりは順調だという。名工大ソーラーカー部は部員およそ30名。2015年に初めてBWSCに参戦、完走を果たしているので「上位入賞を狙いたい(副部長の石黒くん談)」という。
工学院大学…単胴式車両「Wing」
一方の工学院大のソーラーカー「Wing」は、グライダーのような単胴式デザインが特徴のマシン。チャレンジャークラスの主流がカタマラン車両ななか、この形状にしたのは「勝つため(濱根准教授)」だという。
じつはレギュレーションの変更で、ソーラーパネルのサイズが前回の6㎡から4㎡に縮小された一方、車両の大きさ制限は緩和されたとのことで、「空力も考え、このカタチに落ち着きました。今回は各チームからいろいろなカタチのマシンが登場すると思います」。
工学院大は前回大会、クルーザークラス(タイヤ4輪、ドライバー1名+乗員1名以上乗車できる車両)で2位に入った強豪。ソーラーチームの部員も300名を超えるなか、「チームワークで勝利を掴みたいです(女性ドライバーの石川さん)」。
ブリヂストン・ワールドソーラーチャレンジが開催されるのは今年の10月8〜15日。ブリヂストン公式BWSCのFBアカウントやYouTubeチャンネルでは随時レポートされるので、この2チームの活躍をリアルタイムで知ることができる。応援しよう。