土曜日の雷雨に翻弄され優勝候補がQ1落ちとなる波乱の予選は、決勝日朝にQ2から再開。フリー走行から好調の4号車 山下健一 (KONDO RACING) が初ポールを獲得する。記者会見で「先輩を立てなアカンで」とのツッコミにも笑顔で応戦。
決勝レースの周回数は52周、今回はレギュレーションによりソフト、ミディアムのタイヤをそれぞれ最低1回は使用しなくてはならない。スタート時のタイヤ選択は予選上位3台がソフト、4,5,6番手はミディアムでスタート、その他はほぼ半々に分かれている。ポールの山下はスタートに失敗、2番手スタートの18号車 小林可夢偉 (KCMG) がレース序盤をリードする。
15番手スタートの10号車 塚越広大 (REAL RACING) はエンジンストールで最後尾に落ちてしまう。しかしソフトタイヤを2回使用する2ストップ作戦で果敢に攻める走りを披露、見事なオーバーテイクショーを展開し大いに観客を沸かせる。最終的に9位フィニッシュ、そしてファステストラップを記録。
ソフトタイヤでスタートし快調なペースで飛ばす小林可夢偉は、34周目にミディアムへ交換するまでに後続に41秒もの大量リード。参戦3年目にしての初優勝が目前となる。しかしピット作業で手間どりトップから陥落すると、後半にソフトタイヤを履く7号車 フェリックス・ローゼンクヴィスト (SUNOCO TEAM LEMANS) に迫られ防戦を強いられる。
レース終盤トップに浮上したのは4番手スタートの15号車 ピエール・ガスリー (TEAM MUGEN)。序盤ミディアムタイヤでのペースが良かったことで、タイヤ交換後に4号車 山下、3番手スタートの40号車 野尻智紀 (DOCOMO TEAM DANDELION RACING) らの前に立つことに成功。さらにソフトタイヤの利を生かし、2番手走行の小林可夢偉に対し徐々にギャップを広げる。
上位3台の争いはそのままの順位でフィニッシュ。2016年GP2チャンピオンのピエール・ガスリーが来日しての初勝利となった。またこれが今季HONDAエンジンの初勝利。左より元F1ドライバー、GP2王者、マカオGPウィナーという世界的に名の知れた3名の選手が表彰台を彩った。
シリーズランキングでは、Q1落ちを喫し後方スタートながら意地のオーバーテイクで4位入賞の2号車 石浦宏明 (P.MU/CERUMO・INGING) が首位の座をキープ。7位入賞の36号車 アンドレ・ロッテラー (VANTELIN TEAM TOM’S) も2番手を維持。そして連続3位入賞の7号車 ローゼンクヴィストがシリーズでも3位に浮上した。
(PHOTO:井上雅行)