ラスト1000kmはレジェンド祭り
2018年より8月の鈴鹿は「鈴鹿10時間耐久レース」として行われ、スーパーGTシリーズから外れて開催される。よって今年が最後の「鈴鹿1000kmレース」となる。華を添えるべくマクラーレンF1のジェンソン・バトンが来日し、16号車MOTUL MUGEN NSX-GTの第3ドライバーとして参戦することが発表されていた。その効果もあってかファンシートは完売、土日の総入場者数72,500人と大入りに。
ヨコハマ勢がフロントロウからスタート
ポールポジションを獲得したのは24号車フォーラムエンジニアリングADVAN GT-R、2番手に19号車WedsSport ADVAN LC500とヨコハマタイヤ勢がフロントロウ。今シーズンのブリヂストン連続ポールは5でストップとなった。さらに注目すべきは今回Q2初進出となった唯一のダンロップタイヤユーザー64号車Epson Modulo NSX-GTが予選4番手を獲得。ここまで決勝でも5連勝しているBSだが、その記録も危うくなりそうな予感。
2回のSC導入も17号車NSXがレースを支配
この1000kmレースは最低5回のピットイン、ドライバー交代が義務付けられている。GT500クラスはこの距離を6時間弱で走破するのでおおよそ1時間ごとのピットインが予想された。しかしながら途中2回のSC導入やペナルティーが出されたことなどで各車のピットタイミングが微妙に異なってゆく。
その中でも序盤からトップに立った17号車KEIHIN NSX-GTが中盤までレースをリード。23号車MOTUL AUTECH GT-RがNISMO得意のレース運びで2番手に上がるがピット時の違反によるペナルティで後退。100号車RAYBRIG NSX-GTが執念のオーバーテイクで2位まで上がるも、ルーティンのピット作業を終えると64号車Epson Modulo NSX-GTが17号車NSXをかわしてトップに立っていた。
しかしながらレース終盤の冷えていく路面には17号車NSXの履くブリヂストンタイヤの方が分があるのか。64号車NSXのタイヤはダンロップ、その差は徐々に詰まりついに2秒前後となる。17号車の塚越広大が64号車B・バゲットを追い詰める!
最終スティント、クライマックスに突入
迎える最終スティント、64号車NSXがベルトラン・バゲットから松浦孝亮へ交代し無事にピットアウト。これでトップに立った17号車は翌周にピットイン、するはずだったのだが、何とリアタイヤがバーストしクラッシュ!マシンの損傷が激しく、小暮卓史の待つピットへ戻る事は叶わなかった。1000km、173周を予定していたレースは2回のSCランがあったために最大延長時刻を迎え171周でチェッカー。64号車Epson Modulo NSX-GTが最後の鈴鹿1000kmウィナーとなった。
待ち焦がれた、10年ぶりの勝利!
鈴鹿1000kmのメモリアル・ウィンは、EPSON NAKAJIMA RACINGにとっても実に10年ぶりの勝利となる。またダンロップタイヤにとってもGT500クラス10年ぶりの勝ち星。DLユーザー数が少ないことによる開発の遅れが響いていたのだが、この勝利を機に、かつてのように勝ち星を重ねるサプライヤーとして復活してくれることを願いたい。2位、3位には怒涛の追い上げをみせた2台が入賞。23号車GT-R松田次生・ロニー・クインタレッリがランキングトップに立っている。フロンロウの2台、19号車レクサスと24号車GT-Rは安定したペースを重ねそれぞれ4位、5位でフィニッシュ。
(PHOTO:井上雅行)