僅か0.5pt差、2名のトップランカー
2015年チャンピオン石浦宏明と昨年GP2王者ピエール・ガスリーとの差はミニマム0.5ポイント。この差を大きいと見るか、無いも同然と感じるのか。とにかくポイント圏内で相手より先にゴールすればチャンピオンの座は手中に、とはいかないクセモノなのがこの最終戦のポイントシステム。
背後から忍び寄る皇帝、襲いかかる猛虎
2レースそれぞれのポールポジションに1点、ウィナーに5点が与えられるのが通常の2レースフォーマット。しかしこの最終戦では各レースで優勝すればさらにボーナスポイントとして3点が付与される、まさに最終問題何でもアリ仕様。レース1で勝利すればローゼンクヴィスト、関口雄飛にも逆転王座のチャンスが訪れる。
鈴鹿を得意とするダークホース
可能性としては低いものの、TOM'Sの2人もチャンピオンの権利がまだある。但し2レース共に優勝し、なおかつ上位2名が下位に沈むという厳しい条件。しかし開幕戦鈴鹿で中嶋一貴が勝利したように、このチームは鈴鹿での速さに定評がある。レースを知る者ほど、王座獲得が不可能とは言い切れない「何か」を期待してしまう。
そして気になる天候は...
2レース制のフォーマットは、レース1がピットイン義務無しの19周スプリント。そしてレース2はタイヤ交換義務付けの36周なのだが、ウェットタイヤ使用の場合はタイヤ交換義務は適用されない。
そして今週末の鈴鹿は...かなりの高確立で雨予報、両レース共にウェットレースが見込まれる。ランキング下位ほど攻めのレースをしなくては王座に手が届かないのだが、ご存知のように雨のフォーミュラレースでオーバーテイクは高リスク。スタート時のポジションによっては大荒れの決勝レースとなることも。より一層、土曜日の予選セッション(こちらも雨予報)の重要度が高まる。
"勝ち逃げ"されてしまうのか?
HONDAエンジンユーザーで唯一チャンピオンの可能性を残しているのが、ランキング2位のピエール・ガスリー。すでにF1デビューを飾っており、先日の日本グランプリではF1マシンで鈴鹿サーキットを攻略。来季F1は確実ではあるが、SFルーキーでもある彼にチャンピオンを獲らせてなるものか、というのが全てのドライバーの本音だろう。ズバリ今回の鈴鹿は「ガスリー包囲網」なのだ。
SF戦士よ、奮い立て!
これだけ多くの「敵」に囲まれながらもガスリーがチャンピオン獲得となれば、もう思い残す事なくF1へ行ってもらいましょう。でも、簡単には行かせませんよね?皆さん、F1参戦の餞(はなむけ)に、彼に永遠の「宿題」をプレゼントしてあげましょう。
(PHOTO:井上雅行)