メルセデス・ベンツは、メルセデス・AMGのラインアップに新たに“53”シリーズを追加すると、2018年1月15日に開幕した北米国際自動車ショーで発表した。

待望のハイパフォーマンス直列6気筒エンジンを搭載!

これまでのメルセデス・AMGのラインアップは、V12エンジンを搭載した“65”、V8エンジンの“63”、V6エンジンの“43”、コンパクトクラス直4エンジンの“45”と4つのシリーズで構成されていた。ここに“53”シリーズを追加すると北米国際自動車ショーで発表されたのだ。この新シリーズは新型CLSやEクラスクーペ、Eクラスカブリオレなどに採用されていくという。搭載されるのは、1990年代後半にV型へ置き換わって以来の復活となった直列6気筒エンジンだ。ちなみにメルセデス・ベンツの直6は、2017年にSクラスのマイナーチェンジで搭載(日本未導入)されて話題となっていた。

この53シリーズには、63と43の間の穴埋めという意味もあるかもしれないが、環境性能を高めたハイパフォーマンスモデルという大きな使命を担っている。メルセデス・AMGといえど、近年は環境性能の高さも求められる。その要求に応えるために3つの技術が採用されているのである。電動アシストターボとマイルドハイブリッド、そして48V電源だ。

北米国際自動車ショーで公開されたメルセデス・AMG CLS 53 4MATIC+に搭載されていたのは、3L直列6気筒ツインターボエンジンだ。ツインターボのひとつは排気ガス圧を利用したターボ、もうひとつは電動アシストコンプレッサーだ。モーターによってエンジン低回転時のタービン作動を補助するというもので、これによってターボラグを限りなく0に近づけて加速時のアクセルレスポンスを高めているのだという。

また、加速をアシストするのはマイルドハイブリッドも同様だ。エンジンとトランスミッションの間に組み込まれた「EQブースト・スターター・オルタネーター」が、初動とアイドリングストップからの復帰、電気エネルギーの回生などを担当する。

さらに、このモーターの出力向上や燃費の改善、エネルギー回生効率の向上など多くのミッションを担っているのが48V電源だ。高電圧化によって、小さな電流値で大きな出力を発揮するとしてドイツ自動車メーカー各社が開発・採用を進めている。これも重なって「EQブースト・スターター・オルタネーター」は瞬間的に約22ps/250Nmを発生するという。

最高出力はエンジンで435ps/6100rpm、モーターで22ps。最大トルクはエンジンで520Nm/1800-5800rpm、モーターで250Nmとなる。またトランスミッションには専用の9速AT「AMG SPEEDSHIFT TCT 9G」と4WDシステム「AMG Performance 4MATIC+」が組み合わされる。これによってCLS 53 4MATIC +の0→100km/h加速は4.5秒、最高速は270km/hと、どれもハイパフォーマンスモデルらしい数値を達成している。

発売のタイミングや日本への導入などはアナウンスされていないが、楽しみなラインアップとなりそうだ。

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