偏摩耗抑制だけでなく走りも進化した
転がり抵抗を減らしたうえで、ロングライフを売りにしているダンロップ・エナセーブのベーシックタイヤが、EC204へと進化しデビューした。非対称パターンを採用したことで、洗練さと力強さを増し、スポーティな印象さえ感じさせる。
実際に接地面積が従来より4%アップしたことと、とくに荷重を受けやすい外側のブロックを大きくしたことで、肩べりと言われる偏摩耗に関しては16%、耐摩耗性自体も4%高めてきた。
その効果は、摩耗を抑えるばかりではなく、走りにも大きく貢献してくれた。同じコーナーを走っても、従来型のEC203では手応えがややもの足りなかったり、ステアリング舵角が大きかったのに対し、EC204は舵角が小さく、手応えもしっかりしている。力強く見えたトレッドパターンがしっかりと路面をつかんでくれている表れでもあるし、コーナリング中の接地変化を抑える設計手法の効果も大きい。
フラット感をキープするその走り
ロールが少なく感じるのもこれらの複合的性能の結果で、試走したトヨタ・プリウスのボディは常にフラット感をキープ。ノイズレベルも良路でやや高音寄りの音が小さく聞こえた以外、一般的に言われる路面を叩く低くて耳障りな音はあまり気にならなかった。タイヤ全体の振動を発生させづらい、より精度の高い作り込みが行われている結果だ。
日産リーフに乗り換えると、手応えは期待したほど高く感じられなかったが、室内ではモーターの音しかしない感じ。タイヤが高い静粛性に寄与してくれていることが良くわかる。
プリウスもリーフも環境性能モデルの牽引役で、タイヤにも大きな役割が求められる中、高い接地性能による安定した旋回性能と直進時の落ち着きを得た結果、走りは確実に進化した。
スポーティな顔つきを持つEC204は、エコカーを快適なドライビングカーへとアップグレードしてくれるアイテムとして魅力は大きい。走りの良さとロングライフを考えると、コストパフォーマンスが高く、財布にも優しいニューモデルとして大いに注目できる。タイヤラベリング性能はEC203と変わりなく、転がり抵抗でAA、ウエット性能でcとなっている。