極上中古車をベースとした1台。その存在感は強烈だ。
漫画家永井豪による作品で、1972年から翌73年まで週刊少年マガジンに連載された「デビルマン」。少年誌での掲載でありながら、グロテスクなホラー要素を取り入れたセンセーショナルな絵柄や、人が悪魔(デーモン)に惨殺されるという過激な表現など、現代であれば問題作と言われるだろう作品だ。しかし、「人の心」や「人間とは何か」といった深く難しいテーマを描かれたこともあり、不朽の名作として今でもファンは多い。漫画家や映画家など、のちに活躍する多くのクリエイターに大きな影響を及ぼしたことでも知られている。
そんなデビルマンが現在リメイク版アニメーション「DEVILMAN crybaby」として、2018年1月からNETFLIXにてネット配信中だ。漫画のストーリーを踏襲しつつ、時代背景を現代に移してストーリー展開。原作以上に衝撃的だという声も多く、世界中で大きな反響を呼んでいる。すでに視聴したという人もいるだろうその作品の中で、メインキャストのひとり飛鳥了が乗るクルマとして光岡自動車のオロチが登場しているのだ。
2001年の東京モーターショーに登場したオロチは、その名のとおり大蛇をモチーフとした妖艶でグロテスクなデザインから自動車業界に衝撃をもたらした。しかし、過激なエクステリアデザインとは裏腹に、静粛性や乗り心地など実用性を重視された性能からファッションカーとしても話題となり、2006年に発売されたモデルだ。
このデビルマンとオロチがコラボレーションしたモデル「Devilman Orochi(デビルマン オロチ)」を、2018年5月25日に光岡自動車が発表した。赤と黒の強烈なコントラストと、グロテスクさを際立たせるデザインが眼を惹く。これはDEVILMAN crybabyのアートディレクター阿閉高尚と、オロチのデザイナー青木孝憲が共同でデザインしたもの。
ふたつの作品に共通点があるというようにも感じられる。しかし、このコラボの裏には永井豪の画業50周年と、光岡自動車の創業50周年ということからはじまったという。
販売台数は限定1台。というのも、オロチはすでに生産を終了しており新車はない、そのため平成19年式・走行距離約3500kmの極上中古車を光岡自動車が用意しての制作となったのだ。ただし、車両価格や販売方法、納期などはまだ発表されておらず、2018年秋をめどに公開するとしてる。
ちなみにDEVILMAN crybabyのBlu-ray版「COMPLETE BOX」が2018年5月30日に発売される。