15代目となる新型トヨタクラウンが6月末に発売開始となる。それに先だってプロトタイプの試乗会が開催されたが、そこで明らかになった“新型クラウンの秘密”を順次紹介していこう。
画像: リアクォーターを絞り込んでスタイリッシュ。広いトランクルームを確保するには不利なデザイン。

リアクォーターを絞り込んでスタイリッシュ。広いトランクルームを確保するには不利なデザイン。

日本の高級車の必要条件

クラウンのセールスマンが顧客との契約前に8割方聞かれることがあるそうだ。それは“ゴルフバッグを4つ積めますか”ということだ。

クラウンでゴルフに行く人の中でも、4人乗車は少数派ではないかとも思う。しかしそれはそれとして、4人で行く機会は稀であるとしても、4つ積めないと顧客は満足しないようだ。

画像: 2.5ハイブリッドのトランクルーム。ステイは外側に配置して内側には出っ張りがない。

2.5ハイブリッドのトランクルーム。ステイは外側に配置して内側には出っ張りがない。

言い方を変えればゴルフバッグを4つ搭載できることが、日本的なラグジュアリーカーの必要条件ということなのだろう。ゴルフバッグを4つ搭載できることで、クラウンはクラウンたる資格を有すると言ってもいいのかも知れない。

さて、そこで新型クラウンのトランクルームについてだ。結論から言うと“もちろんどのクラウンでも4つ積める”。2.0ターボと2.5ハイブリッドはほぼ同じ広さで、3.5ハイブリッドはそれより若干狭いが、4つのゴルフバッグを搭載できるそうだ。

画像: これは3.5ハイブリッド。駆動用電池を搭載(2.5は別の場所に配置)するため、奥行きが若干短い。

これは3.5ハイブリッド。駆動用電池を搭載(2.5は別の場所に配置)するため、奥行きが若干短い。

しかし、新型クラウンの全幅は1800mmとラグジュアリーカーとしては決して広くはなく、さらにデザイン重視でボディのリアクォーターの絞り込みも大きい。十分な広さのトランクルームを確保するには不利なことばかりだ。

それを克服するために技術的な工夫がある。実はクラウンのトランクリッドはパワー式ではない。クラウンほどの高級車にして少々意外だが、十分な広さのトランクルームを確保するために、トランクリッドを支えるステイを外側に配置して、さらにモーターを置くと場所をとってしまうので手動式としているのだ。

画像: こちらはBMW5シリーズのトランクルーム。トランクリッドはパワー式だ。

こちらはBMW5シリーズのトランクルーム。トランクリッドはパワー式だ。

これでこのボディサイズにしては大きなトランクルームを実現している。なお、参考までにドイツの高級車のトランクルームの写真を添えておこう。新型クラウンがいかに効率よくスペースをとっているかがわかるはずだ。クラウンに愛着を持つ日本人が多いのも納得、といったエピソードだろう。

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