タイトル写真は国産ブランドであるトヨタのクラウン。ウインカーレバーはもちろん右。
海外ブランドで右側レバーの例もあり
ほとんどの輸入車のウインカーレバーは左手操作である。これに対して、国産車のウインカーレバーは右手操作だ。乗り馴れた愛車であればこの操作を間違えることもないのだが、複数のクルマを乗り換えることがあると、ついついワイパーレバーを操作してフロントガラスをカラ拭きしてしまうのだ。そのたびに「ああ、雨でもないのに・・・」と独り言をつぶやくことになる。
それはさておき。輸入車のウインカーレバーは、右ハンドルであろうが左ハンドルであろうが関係なく「左手操作」だ。さらに言えば、左側通行のイギリスの自動車メーカーが作った右ハンドル車であっても「左手操作」となる。
「開発費や製造コスト、部品点数削減のため左手操作に統一しているのか?」とも考えられるが、実はこれにはきちんとした理由が存在する。それが「規格」だ。
自動車に限らず、家電製品や家具などあらゆる工業製品には、寸法や強度などさまざまな技術・数値に規格が存在する。日本国内においては、JIS(日本工業規格)がこれにあたる。対して、国際的にはISO(国際標準化機構)がある。
この規格の中には自動車の操作系に関する項目もあり、ウインカーレバーについてはそれぞれ下記のように規定されている。
■JIS:ウインカーレバーは右側
■ISO:ハンドル位置にかかわらず、ウインカーレバーは左側
だから日本市場向け国産車のウインカーレバーは右側にあるし、ISOに準拠した輸入車であればウインカーレバーは左側に、ということになる。
ただし、輸入ブランドであってもいくつか例外がある。最近の例で言えばイタリアンブランド、アバルトの124スパイダー(日本市場向け)は右ハンドル/右ウインカーレバーである。これは、マツダ ロードスターをベースに日本でマツダが生産したからで、厳密に言えば国産車だからだ。
こうした例外はあるものの、基本的には輸入車は「左」、国産車は「右」ということになっているのだ。輸入車の場合、とくにマニュアル車では操作頻度の高いシフトレバーとウインカーレバーが同じ側にあるのは非合理的のようにも感じる。しかし、慣れてしまえば大きな問題ではないのかも知れない。