新型メルセデス・ベンツAクラスのAMGモデルが2019年夏頃には日本にやってくる。まずは「メルセデスAMG A35 4マティック」と名付けられた306ps仕様がやってくると予想されるが、早速、試乗することができたのでその模様をレポートしよう。(Motor Magazine 2019年2月号より)
エントリーAMGとは思えない刺激的な走り
メルセデス・ベンツのスペシャルなハイエンドスポーツモデルを企画開発するAMGの勢いは止まるところを知らない。2017年には13万1970台と、同社の歴史で初めて6桁セールスを記録した。
好調の源は各モデルに広く用意されたバリエーションの豊富さにある。そのひとつがエントリーモデルとなるAクラスベースのAMGモデルだ。その最新モデルとなるA35 4マティックは2018年のパリモーターショーで発表されたニューフェイスだが、その試乗会がさっそくスペインのマヨルカ島で開催された。
すべてがデジタル表示のハイテクインテリアは、MBUX(メルセデス・ベンツ ユーザーエクスペリエンス)を含めてAクラスに準ずる。ドライブプログラムのプリセットタイヤルが付いたアルカンターラのステアリングホイールや、スポーツシートで独自のスポーティな雰囲気を醸し出している。
フロントに横置きされた2L直列4気筒、水冷インタークーラーターボ付きのツインスクロールターボエンジンが発生する最高出力は306ps、最大トルクは400Nmに達する。7速DCTを介して、0→100km/h加速は4.7秒、最高速度は250km/hでリミッターが介入する。
まずはコンフォートモードでスタートするが、19インチのスポーツタイヤでも快適性を損なうことはなかった。
山間部に入ったところで、モードをS、さらにSプラスに変更すると、アクセルペダルのレスポンスは段階を追って鋭くなっていく。Sプラスではシフトダウン時にエンジン回転を合わせるブリッピングを行ってくれるので、気分はますます高揚してくる。
少々気になったのは、アクティブレーンキープアシストが時折不自然なほど強い力で介入することだ。少し慣れが必要だろう。
ドイツでの価格は4万7530ユーロ(約640万円、19%の付加価値税込み)とそれなりに高価だが、エントリーモデルとは思えないほどダイナミックで、日常性を犠牲にしない魅力的なホットハッチだった。(文:木村好宏)
メルセデスAMG A35 4マティック 主要諸元
●エンジン=直4DOHCターボ
●排気量=1991cc
●最高出力=306ps/5800-6100rpm
●最大トルク=400Nm/3000-4000rpm
●トランスミッション=7速DCT
●駆動方式=4WD
●0→100km/h加速=4.7秒
●最高速=250km/h(リミッター)