マシンはいいパッケージに仕上がりつつある。カギは予選での上位進出
トロロッソ・ホンダでは、アレクサンダー・アルボンが前戦バーレーンGPに続き10位に入賞している。しかし、アルボンの中国GPは決して順調なものではなく、土曜日3回目のフリー走行でクラッシュしてマシンを壊し予選に参加することができなかった。それでも決勝ではピットレーンスタートから順調にポジションを上げて、1ストップ戦略をうまくまとめてポイントを獲得した。
アルボンは「まずは決勝に向けてチームスタッフが頑張ってくれたことにお礼を言いたいです。クラッシュの後は落ち込んでいましたが、シャシの交換などをみんなが頑張ってくれていいレースができました。ポイントを獲得し、彼らの努力に報いることができてよかったです。レースウイークをとおしていいペースで走れていたのでQ3に進出する自信がありましたが、クラッシュからの修復のために予選を走ることはできませんでした。今日は1回のピットストップで走る戦略でしたが、タイヤの消耗が思ったよりも大きく、判断の難しいレースになりました。フリー走行ではライバルチームよりもタイヤマネジメントが上手くできていたので、ハードタイヤでできるだけ走ることにしました。レース終盤でグロージャンが追い上げてきしましたが、抜かれることなくフィニッシュできてよかったです」とレースを分析している。
予選11番手だったダニール・クビアトにとっても、中国GPは不運なレースとなった。予選2ではわずかの差でQ3に進出できず、11番手からスタートした決勝1周目では後ろから追突されバランスを崩しランド・ノリス(マクラーレン・ルノー)と接触。しかもその接触でドライブスルーペナルティーを科されてポジションを下げると、その後、接触のダメージの影響によりリタイアとなってしまった。
いい走りをしているものの不運が続くクビアトは「1周目でのアクシデントから、いいレースができずにそのまま終わってしまって残念です。マシンにダメージは負いましたがペースはよく、ポイント圏内でフィニッシュできる可能性があっただけに、残念な結果になってしまいました。1周目のマクラーレン2台との接触で、僕がペナルティーを受けるのは納得しがたいです。両側を他のマシンに挟まれていましたし、接近して走る1周目であのような接触が起きてしまうのは避けようがありません」と語っている。
トロロッソのフランツ・トスト代表は「レースウイークの初めから競争力のあるパッケージを準備できました。中団でいい勝負ができていたので、予選でいい結果を期待してたので残念したが、アルボンが決勝では多くのマシンをオーバーテイクし、ポイント圏内の10位でフィニッシュできました。いいパッケージであったことを証明してくれたと思います。ダニールは不運なことにアクシデントでダメージを受け、ポジションも下げてしまったので、パワーユニットのマイレージを節約するためにもリタイアを決めました。ダニールはいいラップタイムで走れていてポイント獲得の可能性があっただけに残念です」とレースを振り返った。