2019年4月20日、スーパーフォーミュラの開幕戦を勝利で飾ったニック・キャシディ(チームトムス)。予選12番手からいかにして勝利を手にしたのか。その戦いぶりを振り返ってみよう。

早めのタイヤ交換で上位に進出、ソフトタイヤで37周をラップ

昨年わずかな差でチャンピオンを逃し、今年は名門チーム トムスでタイトルを狙うことになったニック・キャシディだったが、開幕戦では予選から苦しんでいた。

開幕戦を前に、「今年は速いドライバーが2、3人ではなく、たくさんいる。予選Q3に進むのも大変な状況が毎戦続くだろう。昨年以上にチャレンジングなシーズン、チャンピオン争いになると思う」とコメントしていたが、Q3進出ならず予選12番手に沈んでしまった。

決勝で後方スタートを強いられることとなったキャシディは、混戦を避けるように6周目終了時点で先陣を切って義務づけられたピットインを消化。ミディアムタイヤからソフトに交換して、そのまま残り37周で追い上げる作戦をとった。

この作戦が大正解。9周目に起きたアクシデントのためセーフティカーが導入され、上位陣の多くの車両がタイヤ交換に入ったため、キャシディは5位、タイヤ交換を済ませていない車両を考えると実質2位にジャンプアップすることになった。さらにリスタートでミディアムタイヤを履いたばかりの牧野任祐(まきの・ただすけ)をパスして実質トップに躍り出る。

この後もレースは波乱続きで、そのたびにセーフティカーが導入されたのもキャシディにとってはラッキーだった。結局、ソフトタイヤのまま首位を走り続ける小林可夢偉(チームKCMG)に大きな差をつけるのを許さず、追い上げる山本尚貴(チーム ダンデライオン)を最後まで抑え込んだ。

こうしてキャシディは小林のピットインの間に首位に立ち、自身2度目のスーパーフォーミュラ勝利を飾った。

レース後、キャシディは「クレイジーなレースでしたが、スーパーフォーミュラというレベルの高いレースで勝てて本当に最高の気分です。この週末はセットアップなどで苦戦していたので、正直なところ勝てるとは思っていませんでしたが、このカテゴリーでは何が起こってもおかしくないのでプッシュし続けました。幸運もあったと思いますが、10点が獲得できて最高の結果になりました」と語っている。

スーパーフォーミュラは欧州から強者が大挙して押し寄せる世界有数のカテゴリーとなっているが、これに日本期待のヤングドライバー、トップドライバーが加わり、まさに大混戦となっている。スーパーフォーミュラの次戦は5月18日-19日、オートポリスで行われる。

画像: 予選は12番手に終わったが、決勝ではマシンを仕上げて逆転勝利をあげたニック・キャシディ(チームトムス)。

予選は12番手に終わったが、決勝ではマシンを仕上げて逆転勝利をあげたニック・キャシディ(チームトムス)。

スーパーフォーミュラ第1戦 決勝結果

優勝 37 N.キャシディ(VANTELIN TEAM TOM'S)
2位 1 山本尚貴(DOCOMO TEAM DANDELION)
3位 3 山下健太(KONDO RACING)
4位 16 野尻智紀(TEAM MUGEN)
5位 39 坪井 翔(JMS P.MU/CERUMO・INGING)
6位 4 国本雄資(KONDO RACING)
7位 50 L.アウアー(B-Max Racing with motopark)
8位 15 D.ティクトゥム(TEAM MUGEN)

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