パワーユニットのパフォーマンスアップは明らか
トロロッソ・ホンダはダニール・クビアトが7番グリッド、アレクサンダー・アルボンが10番グリッドからのスタートとなったが、彼らが決勝レースでとった作戦は積極的なもので、トップ10に入ればいいというものではなく、さらに上位を狙うものだった。
ともにソフトタイヤでスタートしたクビアトとアルボンは、まず、タイヤ交換を遅らせてソフトタイヤのパフォーマンスを使い切る戦略をとる。レース当日は雨の予報もあり、またモナコGPではセーフティカーが導入される可能性が高いので、それに柔軟に対応できるというのもひとつのポイントだ。
ピットストップはクビアトが32周目、アルボンが40周目。ともに新品のミディアムに交換しているが、そのタイミングを少しずらしているのも巧みな戦略だ。今回は大きなアクシデントがなかったこともあり、大幅なポジションアップはできなかったが、コース上でのオーバーテイクが難しいモナコで、7番手、8番手でコースに戻ることに成功。さらにそこから6番手のカルロス・サインツJr. (マクラーレン・ルノー)に襲いかかる勢いがあった。
ホンダの田辺豊治F1テクニカルディレクターはレース後「週末を通していいパフォーマンスを見せ、レースも上手くまとめることができました。次のカナダGPは今回とはまた異なるタイプのサーキットになります。引き続きPUの開発をプッシュしていきたいと思います」と語っており、ダニール・クビアトも「予選でとても力強く、その勢いのまま、いいレースができました。チームワークも最高で、いいレースマネージメントができました。モナコで7位という結果は素晴らしいことです。この数週間、どこを改善すべきか、僕はどうしたら速く走れるのかを解明するために懸命に取り組み、それが実りました」と答えている。
また初めてのモナコGPを8位で終えたアルボンは「今日の戦略は素晴らしく、チームには感謝しています。ポイント獲得のチャンスがあるのはわかっていましたが、しっかりと実現できました」と語っている。
モナコGPではホンダのパワーユニットを搭載するマシンが4台同時に入賞したが、これは1987年のイギリスGP以来、4台揃っての8位以内でのフィニッシュは1991年のイギリスGP以来になる。