ここまでの2戦は不運に見舞われていた97号車Modulo CIVIC TCRだが、軽いウェイトハンディも幸いして今シーズン初ポールを獲得。助っ人ドライバーに野尻智紀を迎え入れ、出遅れたチャンピオンシップに名乗りを上げられるか。
助っ人といえば108号車 冴えカノfineレーシングwithRFC も話題に。あの「世界の荒」こと荒聖治に加え、なんと日産ワークスの鈴木利男が参加。マシンはシビックtypeRなんですけど…。
シビックtypeRとアウディRS3が4台ずつ、そしてVWゴルフGTIのTCRマシン合計9台によって争われるST-TCRクラス。97号車シビックを先頭にクリーンなスタート。
オープニングラップからペースをコントロールする97号車に代わり、501号車KCMG Annika CIVICが2周目にはクラストップに立つ。その後も圧倒的なペースで周回を重ね序盤から独走状態に持ち込む。
トップから離されはしたものの10号車IDI GOLF GTI も順調なペースで後続を寄せ付けず単独2位走行。しかしその後、走行中に外れた他車のタイヤが当たってしまうハプニングがあり、ピットでの修復を余儀なくされる。
オープニングラップで他車から追突を受けコースアウトし大きく順位を落としていた45号車BRIN・NAUB RS3 だが、レースが進むにつれ本来のペースを取り戻し徐々にポジションを回復していく。
WTCRドライバーのアティラ・タッシにもバトンを渡し順調に走行していた501号車シビックだが、午後9時を迎えるあたりに排気系のトラブルが発生。マフラー交換などで大きくポジションダウン。
序盤ペースを押さえマシンを温存していた97号車シビックが、大津弘樹、野尻智紀らのドライブでナイトセッションに大きくジャンプアップ。若い2人で大きくマージンを稼ぐ作戦が功を奏し、ついにクラストップを奪い返す。
サーキットを闇が包み込む午前0時過ぎ、コース上に97号車シビックの姿が見当たらない。実はこの時、エンジン周辺のボディにダメージが発生。ピットでの修復は不可能ということで、前戦に続きリタイアとなってしまう。シリーズ連覇には大きすぎる痛手か。
そして夜が明け、クラストップに立っていたのは45号車アウディだった。ナイトセッション中、2位以下に3周以上の大差が付いたこともあり無理をせず堅実な走りで初優勝を目指す。
序盤のアクシデントを乗り越え、ひたすらサバイバルレースを走り続けた45号車BRIN・NAUB RS3 LMSが、スーパー耐久へ参戦3年目にしてついに初勝利。竹田直人、白坂卓也、田ヶ原章蔵のレギュラードライバー3人のみで24時間を走りきった。
2位には脇阪寿一らを迎えた10号車 IDI GOLF GTI TCRが、そして3位に108号車 冴えカノfineレーシングwithRFC、表彰台には鈴木利男と荒聖治の姿も見られる結果となった。
(PHOTO:井上雅行)
スーパー耐久シリーズ第3戦 ST-TCRクラス決勝結果(上位5台 完走8台)
1位 45 BRIN・NAUB RS3 LMS (竹田直人/白坂卓也/田ヶ原章蔵)
2位 10 IDI GOLF GTI TCR (フィリップ・デヴェサ/密山祥吾/ジェイク・パーソンズ/脇阪寿一)
3位 108 冴えカノfineレーシングwithRFC (ふじいじゅん/大野尊久/鈴木利男/荒聖治)
4位 65 Phenomen Mars Audi RS3 LMS (岡島秀章/加藤正将/下山征人/今村大輔/松井猛敏/)
5位 22 WAIMARAMA KIZUNA Audi RS3 LMS (堀主知・ロバート/千代勝正/安田裕信/リ・ジョンウ/KIZUNA)