2019年10月25日、F1第18戦メキシコGPがアウトドローモ・エルマノス・ロドリゲス・サーキットで開幕する。2019年F1グランプリも残り4戦、レッドブル・ホンダのマックス・フェルスタッペンが今季3勝目をあげるのか、メルセデスAMGのルイス・ハミルトンが自身6度目にチャンピオンを決定してしまうのか、ドライバーズ部門の上位争いも興味深い。(写真は2018年のメキシコGP)

レッドブルのフェルスタッペンがメキシコGP2連勝中

メキシコGPの最大のポイントは、サーキットが標高約2300mの高地に位置するため、空気が薄い=空気抵抗(ドラッグ)が少ないということ。これはエンジン性能や空力特性はもとよりマシン全体に大きな影響を及ぼすだけでなく、低酸素はドライバーにとっても大きな負担となる。

空気抵抗が減少することで、ストレートでの最高速度が上がる一方で、ダウンフォースの減少によってコーナリング時のグリップは低下し、減速のために通常よりも長い時間ブレーキを踏まねばならなくなる。

また、マシン内部やブレーキダクト内に流入する空気量が減少するため、パワーユニットの性能維持、信頼性、効率性が問われることになる。

舞台となるアウトドローモ・エルマノス・ロドリゲス・サーキットは、 2つの高速ストレートに加えて、曲がりくねったスタジアムセクションなど、さまざまな速度とコーナーを備えた複合コース。ホームストレートエンドで最高速360km/h以上に達する一方、減速に必要なダウンフォースが少ないためブレーキングが難しい。

かつてはペラルターダと呼ばれる名物コーナーがあったが、重大事故が多発したことを受けて廃止、いまは4万人の熱狂的なファンが集まるスタジアムセクションがこのサーキットの象徴的なコーナーとなっている。

コースレイアウトの特徴としては、もうひとつ、スタートから1コーナーまでの距離が800mと長いこと、ピットレーンが650mと長いためピットでのタイムロスが大きいことがあげられる。

画像: アウトドローモ・エルマノス・ロドリゲス・サーキットのコース図。

アウトドローモ・エルマノス・ロドリゲス・サーキットのコース図。

ちなみに、昨年2018年のメキシコGPはレッドブルのマックス・フェルスタッペンが優勝を飾っている。フェルスタッペンは2番手グリッドからスタートで首位を立つと、2位に上がったチームメイトのダニエル・リカルドがエンジントラブルでリタイアする中、終盤も自己ベストを更新し続ける走りで後続を寄せ付けず、2017年に続きメキシコGPを連覇した。なお、予選3番手のルイス・ハミルトン(メルセデスAMG)はタイヤマネージメントに苦しみながらも4位に入り、ここで自身5度目のドライバーズタイトル獲得を決めている。

2018年 メキシコGP 予選結果(参考)

1位 3 D.リカルド(レッドブル) 1:14.759
2位 33 M.フェルスタッペン(レッドブル) 1:14.785
3位 44 L.ハミルトン(メルセデスAMG) 1:14.894
4位 5 S.ヴェッテル(フェラーリ) 1:14.970
5位 77 V.ボッタス(メルセデスAMG) 1:15.160

2018年 メキシコGP 決勝結果(参考)

優勝 33 M.フェルスタッペン(レッドブル)
2位 5 S.ヴェッテル(フェラーリ)
3位 7 K.ライコネン(フェラーリ)
4位 44 L.ハミルトン(メルセデスAMG)
5位 77 V.ボッタス(メルセデスAMG)

タイヤを供給するピレリは、メキシコGP開幕にあたって「昨年のメキシコGPでは2ストッパーが確実な勝利戦略と認識されながらも、トップ10ドライバー中の5名が1ストップ戦略を採り、トップ10内で異なる6種類の戦略が展開されましたが、フェルスタッペンは2ストップ戦略でレースを制しています。各チームは、序盤からデグラデーションやグレイニングをケアするタイヤマネジメントに追われ、戦略に関して数多くのアプローチが見られました。さらにバーチャルセーフティーカーによって戦略的な複雑性が増し、結果的に、トップ3チームで2台のマシンに同一の戦略を採ったところはありませんでした。このことからも、戦略の決断が難しかったことが窺えます。今年のメキシコGPには昨年よりもハードなタイヤを設定してますので、タイヤ管理から解放され、ドライバーとチームはすべてのスティントで強くプッシュすることができるでしょう」と分析している。

画像: メキシコGPでの各ドライバーの選択タイヤ。

メキシコGPでの各ドライバーの選択タイヤ。

今年のメキシコGPの注目は、ドライバーズチャンピオン争い。ハミルトンがチームメイトのバルテリ・ボッタスに14ポイント差をつけてゴールした場合、ハミルトンの自身6度目にチャンピオンが確定するが、メルセデスAMGはドライバーズ部門でも1-2を狙っているため、あえてボッタスを先行させるかもしれない。今年もメキシコでドライバーズチャンピオンが誕生するのか、注目だ。

2019 F1ドライバーズスタンディング

1位 L.ハミルトン(メルセデスAMG)338
2位 V.ボッタス(メルセデスAMG)274
3位 C.ルクレール(フェラーリ)221
4位 S.ヴェッテル(フェラーリ)212
5位 M.フェルスタッペン(レッドブル・ホンダ)212
6位 C.サインツ(マクラーレン・ルノー)76※第17戦日本GP終了時

2019 F1コンストラクターズスタンディング

1位 メルセデスAMG 612
2位 フェラーリ 433
3位 レッドブル・ホンダ 323
4位 マクラーレン・ルノー 111
5位 ルノー 68
6位 トロロッソ・ホンダ 59
※第17戦日本GP終了時、メルセデスAMGのチャンピオン確定

F1第18戦メキシコGPは、10月25日金曜日10時(日本時間26日土曜日0時)からのフリー走行1回目で開幕、予選は10月26日15時(日本時間27日日曜日3時)、決勝は10月27日13時10分(日本時間28日月曜日4時10分)に開始される。

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