2019年11月1日、F1第19戦アメリカGPがテキサス州オースティンのサーキット・オブ・ジ・アメリカズで開幕する。2019年F1グランプリも終盤戦へ、レッドブル・ホンダのマックス・フェルスタッペンが今季3勝目を狙う。(写真は2018年のアメリカGP)

直線スピードと低速でのグリップのバランスをどうとるかがポイント

アメリカGPが行われるサーキット・オブ・ジ・アメリカズ(Circuit Of The Americas)は、2012年のGP初開催にあわせてテキサス州オースティンに建設されたコース。音楽の街として有名なオースティンの国際空港から3kmほどの場所にある。シルバーストンのマゴッツとベケッツに似た高速コーナーや中低速のテクニカルコーナーに加え、地形を生かしたアップダウンがあるチャレンジングなコース設定で、ドライバーからも「攻めがいのある楽しいサーキット」と好評だ。

名物コーナーは、ホームストレートからの急激な上り坂の頂点に設置されたヘアピンコーナー。ドライバーの目から完全なブラインドコーナーとなっているが、この部分のコース幅は30m近くもあり、3ワイド、4ワイドでオーバーテイク合戦が繰り広げられる。

多くの高速コーナーを持つ一方で、低速コーナーも多く、ストレートスピードと低速でのグリップのバランスを取るのが難しく、どこを重視してセットアップするかがポイントとなる。また、路面のグリップは高いが、高速コーナーが多いため、フロントタイヤ、特に左フロントタイヤの摩耗が厳しいと言われる。

画像: サーキット・オブ・ジ・アメリカズのコース図。

サーキット・オブ・ジ・アメリカズのコース図。

ちなみに、昨年2018年のアメリカGPはフェラーリのキミ・ライコネンが2番グリッドから好スタートを決めてそのまま優勝を飾っている。ライコネンは予選3番手ながらチームメイトのセバスチャン・ヴェッテルのグリッド降格によりフロントロウからスタートしてトップに立ち、ウルトラソフトからソフトへのワンストップ戦略をうまく決めてそのまま逃げ切った。

ポールポジションのルイス・ハミルトン(メルセデスAMG)はスタートで出遅れ、タイヤのブリスターに悩まされ2ストップ戦略を選択したことも響いて3位にとどまった。圧巻はレッドブルのマックス・フェルスタッペンで、マシントラブルなどで18番グリッドからのスタートとなったが、ワンストップ戦略で2位まで順位を上げている。トロロッソ・ホンダのブレンドン・ハートレーは9位、ピエール・ガスリーは12位だった。

2018年 アメリカGP 予選結果(参考)

1位 44 L.ハミルトン(メルセデスAMG) 1:32.237
2位 5 S.ヴェッテル(フェラーリ) 1:32.298
3位 7 K.ライコネン(フェラーリ) 1:32.307
4位 77 V.ボッタス(メルセデスAMG) 1:32.61
5位 3 D.リカルド(レッドブル) 1:33.494

2018年 アメリカGP 決勝結果(参考)

優勝 7 K.ライコネン(フェラーリ)
2位 33 M.フェルスタッペン(レッドブル)
3位 44 L.ハミルトン(メルセデスAMG)
4位 5 S.ヴェッテル(フェラーリ)
5位 77 V.ボッタス(メルセデスAMG)

タイヤを供給するピレリは、アメリカGP開幕にあたって「アメリカGPはエキサイティングで予測不可能なレースとして有名で、メキシコGPとは異なる特徴を持っています。 反時計回りのサーキットには代表的なコーナーであるターン1の上り坂のヘアピンのほか、さまざまなコーナーがあります。摩耗と劣化は平均的ですが、テキサスの天気はこの時期には非常に変わりやすく、過去に全セッションをキャンセルとなったこともあります。昨年はフェラーリのキミ・ライコネンがウルトラソフトからソフトのワンストップが勝利しました。レッドブルのマックスフェルスタッペンは、ソフト→スーパーソフト戦略で18番グリッドから2位となり、メルセデスのルイス・ハミルトンは2ストッパーで3位でした。また、今週の金曜日のフリープラクティスセッションは、チームが2020 Pゼロタイヤを初めて試すことになりますので、今週末は特に重要です」と分析している。

画像: アメリカGPでの各ドライバーの選択タイヤ。

アメリカGPでの各ドライバーの選択タイヤ。

今年のアメリカGPの注目は、ドライバーズチャンピオン争い。ドライバーズタイトルの行方は、ルイス・ハミルトンとチームメイトのバルテリ・ボッタスの二人に絞られているが、アメリカGP終了時点でハミルトンがボッタスとの差を52ポイント以上とした場合、ハミルトンの自身6度目にチャンピオンが確定する。現時点でのポイント差は74、ボッタスが優勝でも、ハミルトンが8位以上に入れば無条件でタイトルが決まる。

2019 F1ドライバーズスタンディング

1位 L.ハミルトン(メルセデスAMG)363
2位 V.ボッタス(メルセデスAMG)289
3位 C.ルクレール(フェラーリ)236
4位 S.ヴェッテル(フェラーリ)230
5位 M.フェルスタッペン(レッドブル・ホンダ)220
6位 P.ガスリー (トロロッソ・ホンダ)77
※メキシコGP終了時

2019 F1コンストラクターズスタンディング

1位 メルセデスAMG 652
2位 フェラーリ 466
3位 レッドブル・ホンダ 341
4位 マクラーレン・ルノー 111
5位 ルノー 76位 トロロッソ・ホンダ 64
※メキシコGP終了時

F1第19戦アメリカGPは、11月1日金曜日11時(日本時間2日土曜日01時)からのフリー走行1回目で開幕、予選は11月2日16時(日本時間3日日曜日06時)、決勝は11月3日13時10分(日本時間4日月曜日04時10分)に開始される。

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