スーパーGTとDTMの夢の競演、交流戦のレース2が日曜日に行なわれた。Modulo Epson NSX-GTのナレイン・カーティケヤンが予選2番手から勝利。通算7年間日本でレースをしているカーティケヤンにとって日本での初勝利となった。
午前に行なわれた予選でトップタイムを出したのはMOTUL MUGEN NSX-GTの中嶋大祐だが、金曜に車両交換をしているためグリッド降格に。2番手タイムのロイック・デュバル(アウディ)がポールとなった。3番手タイムはModulo Epson NSX-GTのナレイン・カーティケヤンでフロントローに。ナカジマ・レーシングに縁のある面々。
レース2もレース1同様の55分フォーマット。スタートはデュバル、カーティケヤンの順で1周目をクリア。しかし2周目以降のホームストレート、トップスピードに勝るNSX勢がデュバル、レネ・ラストらアウディ勢を次々とオーバーテイク。
レース序盤にしてNSX-GTの1-2-3-4体制が確立し、カーティケヤンは大方の予想に反してトップを快走する。レースはその後9周目にデブリ回収のためSC導入となりNSX勢の間隔が詰まる。これによりNSX同士の接近戦が始まり、やがてはレース終盤の接触を引き起こすことに。またこのタイミングでブノワ・トレルイエ(アウディ)がタイヤ交換を行うが、SC先導中にピットイン義務は消化できないため後にもう一度ピットインする必要がある。
同じペースで10位前後を走行するレクサス勢は、ピットイン後も連続したポジションで周回。その後デブリの除去で再度のSC、そしてリスタート後の残りは約10分、しかしここで今週末最大の悲劇が。KeePer TOM'S LC500以外の、何と5台のレクサスが互いに接触しマシンにダメージ。リタイア扱いとはならなかったもののピットに戻りレースを終えてしまう。また一時トップに立っていたトレルイエは2回目のピットへ。他のNSXからの追撃を振り切ったModulo Epson NSX-GTが再度トップへ立つ。
リスタート後の混乱にGT-Rもあおりを受け、ボンネットが跳ね上がった状態でカルソニック IMPUL GT-Rがストップ。レース終了目前にして3度目のSC導入となり、やがて55分が経過する。ファイナルラップにSCは解除されたが、カーティケヤンはそのポジションを脅かされることなくModulo Epson NSX-GTがトップチェッカーを受けた。
スーパーGT参戦初年度のナレイン・カーティケヤンが日本での初優勝、そしてナカジマ・レーシングに勝利の置き土産。2位、3位にはファイナルラップのバトルで観客を沸かせたマルコ・ウィットマン(BMW)、ロイック・デュバル(アウディ)のDTM勢が表彰台を獲得した。
練習走行を含め3日間に渡り行なわれたこの特別交流戦はシリーズ戦では見られなかった接近戦の連続で、訪れた合計51,800人の観客にとっても満足いくものとなったようだ。(PHOTO:井上雅行)
スーパーGT×DTM特別交流戦 レース2 決勝結果(TOP10)
1位 64 Modulo Epson NSX-GT ナレイン・カーティケヤン
2位 11 BMW M4 DTM マルコ・ウィットマン
3位 28 BMC Airfilter Audi RS 5 DTM ロイック・デュバル
4位 1 RAYBRIG NSX-GT 山本尚貴
5位 00 BMW M4 DTM 小林可夢偉
6位 16 MOTUL MUGEN NSX-GT 中嶋大祐
7位 99 Akrapovic Audi RS 5 DTM マイク・ロッケンフェラー
8位 37 KeePer TOM'S LC500 平川亮
9位 33 Audi RS 5 DTM レネ・ラスト
10位 21 Audi Sport Japan RS 5 DTM ブノワ・トレルイエ