クルマ好きなら一度は憧れたことがあるだろうスーパーカー。その黎明期から現代までをたどる連載企画。第74回は「パガーニ ゾンダ」だ。

パガーニ ゾンダ(1999-2013年)

画像: カーボンのボディパネルに下地が透ける薄いブルーをペイントし、その上にクリアを吹いた独特のボディカラー。

カーボンのボディパネルに下地が透ける薄いブルーをペイントし、その上にクリアを吹いた独特のボディカラー。

少量生産のスーパースポーツカー メーカーとしてクルマ好きには知られているパガーニ アウトモビリ。創始者のオラチオ・パガーニはアルゼンチンから単身イタリアへと渡り、ランボルギーニ社で契約デザイナーやカーボン成型技術のエンジニアとして手腕を振るった。その後、1991年に独立して北イタリアのサン・チェザリオ・スル・パナーロという町にパガーニ アウトモビリを設立する。

オラチオの手がけた最初のモデルが、1999年のジュネーブ モーターショーでワールドプレミアされた「ゾンダ」だ。ゾンダ(Zonda)という車名は、アンデス山脈からアルゼンチン(オラチオの故国だ)に吹き下ろす風の名前だという。また、故国アルゼンチン出身で5度のF1チャンピオンに輝いているファン・マヌエル・ファンジオがアドバイザーを務めている。

レーシングカー的なスタイルにエレガントな要素も組み合わせたデザインは、オラチオ自らが手がけたもの。シャシにはランボルギーニ時代から培ってきたカーボン成型技術にチタンなども組み合わせている。小型の4灯ヘッドランプやリアエンド中央の4本出しエクゾーストなども特徴的だ。

インテリアにもカーボンファイバーをはじめ、レザーやアルカンターラ、アルミニウムなどを採用。少量生産ゆえのカスタマイズは可能で、エクステリア同様にインテリアのデザインも独特でクオリティの高いものだった。

画像: インテリアの大半はカーボン製のコクピット。小径ステアリングの中央にタコメーターが備わり、奥の液晶モニターがさまざまな情報を表示する。

インテリアの大半はカーボン製のコクピット。小径ステアリングの中央にタコメーターが備わり、奥の液晶モニターがさまざまな情報を表示する。

ゾンダは生産されていた年月が長く、しかも高額な少量生産モデルなので、多くのバリエーションが存在する。ここで紹介している「レボリューション」は2013年に発表されたモデルで、サーキット走行に特化した「ゾンダR」の最終仕様だ。

ミッドシップ搭載されるパワーユニットは、メルセデスAMG(当時)がCLK-GTR用に開発したものをベースに最高出力780ps/最大トルク750Nmにチューンした6.0LのV12エンジンを搭載する。ミッションはXトラック社製の6速シーケンシャルMTで、当時のF1も採用していたDRS(ドラッグ リダクション システム)も搭載し、0→100km/h加速は2.7秒、最高速度は350km/h以上と公称された。

5台限定で、日本での価格は300万ユーロ(当時のレートで約4億2000万円!)だった。2011年にゾンダの後継モデルとなる「ウアイラ」が発表され、ゾンダの通常モデルは生産終了したが、その後もワンオフのスペシャルモデルは受注生産が継続されていた。

画像: 巨大なウイングとディフューザーで、リアビューはレーシングカーそのもの。4本出しのエキゾーストエンドは、パガーニのアイデンティティだ。

巨大なウイングとディフューザーで、リアビューはレーシングカーそのもの。4本出しのエキゾーストエンドは、パガーニのアイデンティティだ。

パガーニ ゾンダ レボリューション 主要諸元

●全長×全幅×全高:4886×2014×1141mm
●ホイールベース:2785mm
●重量:1070kg
●エンジン種類:60度V12 DOHC
●排気量:5987cc
●最高出力:780ps/5800rpm
●最大トルク:750Nm/5780rpm
●燃料タンク容量:80L
●駆動方式:縦置きミッドシップRWD
●トランスミッション:6速シーケンシャルMT
●タイヤサイズ:前255/35ZR19、後335/30ZR20
●当時の価格:300万ユーロ

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