6月6日、インディカー開幕戦に現れたマシンには見慣れないシールドが備えられていた。あれは一体なんだろう。

2020年のすべてのインディカーに装着を義務づけ

2020年シーズンのインディカーのキャビンを覆うシールドは「エアロスクリーン(Aeroscreen)」と呼ばれるもので、透明なスクリーンでコクピットを覆うキャノピー型ドライバー保護デバイスだ(上方は開いている)。これはレッドブル・レーシング・アドバンス・テクノロジー社がコンストラクターのダラーラと共同で開発したもので、強固なチタンフレームと積層ポリカーボネイトで構成されている。

チタンフレームは言うに及ばず、スクリーンも極めて強固で、脱落したパーツやタイヤの飛来からドライバーを保護する仕組みだ。スクリーン内側には反射コーティングや曇り止めヒーターも備わり、外部の汚れに対しては、剥がせる透明フィルムで対応する。

もともとF1でドライバー保護デバイスの気運が高まった時に、レッドブル・レーシング・アドバンス・テクノロジー社がこのエアロスクリーンを提案したが、F1ではメルセデスが開発したハロ(Halo=チタン製のフレームでドライバーを保護するデバイス)が採用されたため、ほかのフォーミュラカテゴリーにもハロが搭載された経緯がある。

エアロスクリーンの利点は、透明スクリーンがウィンドシールドのような働きをするので空力的に有利で、コクピット内の静粛性、快適性にも優れること。重量はハロよりやや大きくなるが(約12.6kg)が、全車に義務付けとなるからこれは大きな問題にはならない。「エアロスクリーンのほうがハロよりも外観的に洗練されていて、視界も良い」という評価もあるが、果たしてどうか。

「どちらがより安全に有効なのか」「美しいマシンに似合うのはどちらか」、インディカーのエアロスクリーンか、F1のハロか。また議論が再燃しそうだ。

画像: 2018年シーズンからF1マシンに装着されているハロ(Halo)。

2018年シーズンからF1マシンに装着されているハロ(Halo)。

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