マクラーレンの従来のラインアップとは一線を画すという「マクラーレン GT」はどんなモデルなのか。長距離ドライブも楽々とこなすスーパーパフォーマンスとはどのようなものなのか。今回の特別企画「Super Car File」では、Motor Magazineの新刊ムック「ザ・スーパーカー ファイル ドットネクスト」(6月17日発売)から、いま注目の“超俊足&超高級車”を紹介しているが、その第16回はマクラーレンのラインアップに加わった「マクラーレン GT」を取りあげよう。
エレガントなスタイリングに秀でたドライバビリティ
マクラーレン オートモーティブのスーパースポーツカーは、アルティメットシリーズ/スーパーシリーズ/スポーツシリーズという3つのファミリーで構成されているが、それとは別のシリーズとして登場したのが「マクラーレン GT」だ。
マクラーレン GTのスタイリングは、既存のマクラーレンのどれとも似ていない独自性の強いもの。720Sのシンプルで穏やかな造形をベースとしつつも、伸びやかでエレガントな、グランドツアラーに相応しいスタイリングを採用しているのが特徴だ。
ソフトクローズ機能を標準で装備するテールゲートの下側に、420Lものラゲッジスペースを生み出しているのも大きなポイント。マクラーレンによれば、サイズには限りがあるもののゴルフバッグまたは185cmのスキー板が2セット積めるという。
採用されるテクノロジーはスポーツシリーズに近く、搭載されるエンジンは4L V8ツインターボで、最高出力こそ620psに抑えられているが、その最大トルク630Nmの95%を3000-7250rpmの広い領域で生み出すことで優れたドライバビリティを実現。スーパースポーツ性とグランドツアラー性との共存、マクラーレンの本質でもあるこの特徴を見事に体現している。
以前、スポーツシリーズに「マクラーレン 570GT」というモデルが存在したが、この「マクラーレン GT」はその進化版とも言えるもの。マクラーレン・オートモーティブのモデルラインアップはスポーツシリーズ、スーパーシリーズ、アルティメットシリーズという3種類が基本となっているが、今後はこのラグジュアリーかつ快適指向を強めたGTシリーズが4つめの柱に加わるかもしれない。
マクラーレンGT
■2019年6月21日:発表
■車両価格:2645万円
マクラーレンGT 主要諸元
●全長:4683mm
●全幅:2045mm
●全高:1213mm
●ホイールベース:2675mm
●車両重量:1530kg
●駆動方式:MR
●エンジン:4L V8DOHCツインターボ
●最高出力:620ps/7500rpm
●最大トルク:630Nm/5500-6500rpm
●トランスミッション:7速DCT
●0→100km/h加速:3.2秒
●0→200km/h加速:9.0秒
●最高速:326km/h
●WLTP燃費:8.4km/L