2019年7月31日金曜日、F1第4戦イギリスGPがシルバーストンサーキットで開幕する。開幕3連戦はメルセデスAMGの3連勝で始まったが、レッドブル・ホンダも第2戦3位、第3戦2位と成績は上り調子。今シーズンは現時点で全13戦以上(おそらく全15〜18戦になると思われる)で行われることが確定しており、まだまだどのチームも逆転可能な状況。イギリスGPから始まる今季2回目の3連戦は大注目だ。

トリッキーなハンガロリンクから、超高速のシルバーストンへ

新型コロナウイルス感染拡大によって、7月になってようやく開幕した2020年のF1グランプリ。

開幕からいきなり3週連続でグランプリが開催されるなどスケジュールが過密になっているが、今週と来週はイギリス・シルバーストンで連戦、その後すぐにスペインに移動してバルセロナで開催と超過密スケジュールは続いていく。

オーストリア2連戦とハンガリーで始まった開幕3連戦はサーキットの特性や過去の相性からレッドブル・ホンダ有利と言われたが、いざ開幕するとメルセデスAMGがあっさりと3連勝。レッドブル・ホンダは開幕戦でアレクサンダー・アルボンが逆転優勝かと思わせる場面もあったが結局2台ともリタイア。第2戦-第3戦はマックス・フェルスタッペンが3位-2位と盛り返しているものの、いまだ勝利はない。イギリスGPからの3連戦がシーズン前半のひとつの山場となるのは間違いなく、ここでメルセデスAMGの連勝を許すとシーズンの流れは決定的なものになるかもしれない。

ではイギリスGPのポイントはどこにあるのか。まずイギリスGPが開催されるシルバーストンサーキットの特徴を見てみよう。

シルバーストンは元イギリス空軍の飛行場跡地に建設されたサーキットで、平坦で直線部分が長いことが特徴。マゴッツ、ベケッツ、チャペルと続く高速コーナーが有名だが、最新のF1マシンにとってこれらはもはやフラットアウトで通過する「ほぼ直線」となっており、それだけにタイヤに負担のかかる、そしてパワーが要求されるコースとなっている。コース改修によって低中速コーナーも設けられているため、高速セッティングのマシンでそこをどう攻略するかも課題となるが、基本的に高速サーキットであることに変わりはない。さらに問題はイギリス特有の気まぐれな天候で、これがしばしばレースを混乱させる。

ただ、ほぼすべてのF1チームが近郊に本拠を構えており、どのチームもこのコースのことを知り尽くしていると言っていいだろう。

画像: 超高速サーキット、パワーサーキットとして知られるシルバーストン。飛行場跡地に建設されたため、平坦なことも特徴。

超高速サーキット、パワーサーキットとして知られるシルバーストン。飛行場跡地に建設されたため、平坦なことも特徴。

画像: シルバーストンのコースレイアウト。1周5891m、第9コーナーのコプスから、マゴッツ、ベケッツ、チャペル、ストウへと続く高速コーナーが有名。

シルバーストンのコースレイアウト。1周5891m、第9コーナーのコプスから、マゴッツ、ベケッツ、チャペル、ストウへと続く高速コーナーが有名。

昨年のイギリスGPはメルセデスAMG同士の優勝争いとなり、ポールポジションから逃げるボッタスが2ストップ戦略をとる中、ルイス・ハミルトンがセーフィティカー出動のタイミングを生かした1ストップ戦略で逆転優勝を飾っている。オーストリアに続く連勝を狙ったフェルスタッペンは実質2番手に上がったところで、フェラーリのセバスチャン・ヴェッテルに追突される形でコースアウト、5位でフィニッシュしている。それでもホンダ勢は3台が入賞する健闘を見せているので、コース相性は悪くなく、今年も期待が持てるだろう。

画像: 昨年2019年のイギリスGPを制したルイス・ハミルトン(メルセデスAMG)。

昨年2019年のイギリスGPを制したルイス・ハミルトン(メルセデスAMG)。

今週末のまずひとつめのイギリスGPの注目はやはり、メルセデスAMGにレッドブル・ホンダがどう迫るか、ハンガリーGPの予選で速さを見せたレーシングポイント・メルセデスがこれにどう絡むかというところだろう。

メルセデスAMGにとっての課題のひとつは暑さ。今シーズンは冷涼なレースが続き問題は出ていないが、もし高温になれば熱対策の問題が浮上することも考えられる。レッドブル・ホンダにとっての課題は空力か。ハンガリーGPの予選でマシンの不安定な動きに悩まされただけに、ここを改善できているかがポイントとなる。

タイヤを供給するピレリは「シルバーストンのダブルヘッダーに異なるタイヤを供給することになりました。 今週末の第4戦イギリスGPでは、C1コンパウンド(ハード)、C2コンパウンド(ミディアム)、C3コンパウンド(ソフト)。 1週間後の第5戦70周年記念GPは1ステップ柔らかい、C2コンパウンド(ハード)、C3コンパウンド(ミディアム)、C4コンパウンド(ソフト)を供給します。 これは同じサーキットで2戦連続で行われるため、不確定要素を追加するためのアイデアで、チームはシルバーストンでの戦略を再考する必要が出てくるでしょう。シルバーストンはタイヤに厳しいサーキットです。それは今シーズン初めて、もっともハードなコンパウンドが選ばれたことでもわかるでしょう。摩耗はそれほど大きくありませんが、タイヤに負担がかかる速くて長いコーナーが多いのがポイントとなります」とコメントしている。

F1第4戦イギリスGPは、7月31日金曜日11時(日本時間19時)からのフリー走行1回目で幕を開ける。予選は8月1日14時(日本時間22時)、決勝は8月2日14時10分(日本時間22時10分)に開始される。

(参考)2019年F1第10戦イギリスGP決勝 結果

優勝 44 L.ハミルトン(メルセデスAMG) 52周
2位 77 V.ボッタス(メルセデスAMG)+24.928s
3位 16 C.ルクレール(フェラーリ)+30.117s
4位 10 P.ガスリー (レッドブル・ホンダ)+34.692s
5位 33 M.フェルスタッペン(レッドブル・ホンダ) +39.458s
6位 55 C.サインツ(マクラーレン・ルノー)+53.639s
7位 3 D.リカルド(ルノー)+54.401s
8位 7 K.ライコネン(アルファロメオ)+65.540s
9位 26 D.クビアト (トロロッソ・ホンダ)+66.720s
10位 10 N.ヒュルケンベルグ(ルノー)+72.733s

12位 23 A.アルボン (トロロッソ・ホンダ)+75.617s

(参考)2019年F1第10戦イギリスGP予選結果

1位 77 V.ボッタス(メルセデスAMG) 1:25.093
2位 44 L.ハミルトン(メルセデスAMG) 1:25.099
3位 16 C.ルクレール(フェラーリ) 1:25.172
4位 33 M.フェルスタッペン(レッドブル・ホンダ) 1:25.276
5位 10 P.ガスリー(レッドブル・ホンダ) 1:25.950
6位 5 S.ヴェッテル(フェラーリ) 1:25.787
7位 3 D.リカルド(ルノー) 1:26.182
8位 4 L.ノリス(マクラーレン・ルノー) 1:26.224
9位 23 A.アルボン(トロロッソ・ホンダ) 1:26.345
10位 7 N.ヒュルケンベルグ(ルノー) 1:26.386

17位 26 D.クビアト(トロロッソ・ホンダ)

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