レース展開、タイヤ戦略次第でルノーにもチャンスあり
毎週のように繰り広げられるスペクタクルなF1バトル。ファンにとっては楽しみだが、シーズン開幕からハードワークが続くチームにとって、この3連戦は底力や総合力が問われる正念場だ。
イタリアGPが開催されるモンツァは、最高速、平均速度とも現在F1が行われるサーキットの中で最も速いサーキット。1922年に完成したクラシックコースで、開業当初オーバルコースとロードコースの組み合わせとしていたレイアウトの名残を、広いホームストレートに見ることができる。またオーバルコースのバンク部分はいまも歴史遺産として保存されている(ちょうど富士スピードウエイのようだ)。
コース形態は4本のストレートを高速コーナーでつないだシンプルなもの。3つのシケインが設けられてはいるが、長いストレートからのブレーキング、立ち上がってフル加速という繰り返しで、オーバーテイクは難しく、予選順位が重要となる。また、ドラッグの少ない薄いウイングを装着してトップスピードを稼ぐため、コーナーではブレーキやタイヤへの負荷が大きくなる。
前戦のスパ・フランコルシャンとの違いは、アップダウンが少ないこと。スパではメルセデスAMGとレッドブル・ホンダが山岳セクションや万が一の降雨に配慮してややダウンフォースをつける仕様としていたのに対して、ルノーはぎりぎりまでダウンフォースを削った仕様でレースに挑み成功。4位に入賞したルノーのダニエル・リカルドが周回を重ねたハードタイヤで最終周にファステストラップを記録したことは、今週のイタリアGP攻略のひとつのヒントとなるかもしれない。ちなみにイタリアGPで用意されるタイヤコンパウンドはベルギーGPと同じだ。
昨年のイタリアGPでは、ポールポジションからスタートしたフェラーリのシャルル・ルクレールが、メルセデスAMG勢の猛追を寄せ付けず優勝を飾っている。レッドブル・ホンダはパワーユニット交換ペナルティや不運なアクシデントもあり、アレクサンダー・アルボンが6位、マックス・フェルスタッペンは8位に終わった。
では、今年のイタリアGPはどうか。例年ここで速さを見せるフェラーリは前戦ベルギーGPでもいい所がなく、むしろルノーが好調ぶりをアピールした。ここまでのグランプリを見る限り、やはりレッドブル・ホンダとメルセデスAMGの戦いになりそうだが、レース展開、タイヤ戦略次第でルノーにもチャンスがやってきそうだ。
もうひとつの見所は、イタリアGPからパワーユニットモードの使用制限が加わること。予選モードが使えなくなることがレースにどんな影響を与えるのか。パワーユニットの使い方に制約が加わる初めてのレースになる。
第8戦イタリアGPは9月4日11時(日本時間18時)から始まるフリー走行で開幕、予選は9月5日15時(日本時間22時)、決勝は9月6日15時10分(日本時間22時10分)に開始される。
【参考】2019年F1第14戦イタリアGP決勝 結果
優勝 16 C.ルクレール(フェラーリ)53周
2位 77 V.ボッタス(メルセデスAMG)+0.835s
3位 44 L.ハミルトン(メルセデスAMG)+35.199s
4位 3 D.リカルド(ルノー)+45.515s
5位 27 N.ヒュルケンベルグ(ルノー)+58.165s
6位 23 A.アルボン (レッドブル・ホンダ)+59.315s
7位 11 S.ペレス(レーシングポイント)+73.802s
8位 33 M.フェルスタッペン(レッドブル・ホンダ)+74.492s
9位 99 A.ジョビナッツィ(アルファロメオ・フェラーリ)+1周
10位 4 L.ノリス(マクラーレン・ルノー)+1周
11位 10 P.ガスリー (トロロッソ・ホンダ)+1周
リタイア 26 D.クビアト(トロロッソ・ホンダ)