ハイウエイ ドライブの楽しみのひとつといえば、SA(サービスエリア)やPA(パーキングエリア)での食事やおみやげ。今回は、関越道・上里SA(上り)のグルメを紹介しよう。

埼玉、新潟、長野、群馬、栃木という5地域の幸を楽しめる

画像: 上里SA(上り)は2016年4月にリニューアルし、地域色を活かしたSA「ドラマチックエリア上里(上り)」としてオープンしている。

上里SA(上り)は2016年4月にリニューアルし、地域色を活かしたSA「ドラマチックエリア上里(上り)」としてオープンしている。

上里SA(上り)は、関越道に北関東道と上信越道の2つの路線が合流した後にある、最初のSAとなります。そのためご当地となる埼玉だけでなく、新潟、群馬、長野、栃木という5地域のグルメやお土産が楽しめるのが特徴です。そこで紹介すべきなのはレストラン「GRILL 膳-ZEN-」の看板メニューとなる「三州わさび丼膳」(タイトル写真:1510円)。三州とは上州(群馬県)、信州(長野)、越州(新潟)の3つを示します。

「上里SAのコンセプトにあわせて考案したメニューです。上州、信州、越州の食材を使ったもので、今でも多くのお客様よりご注文いただいており、年配の方には特に人気の高いメニューです」と、料理長さんは説明します。

「三州わさび丼膳」に並んだ食材を見れば、筆頭は新潟のお米コシヒカリ。その上にのるのは長野の代名詞的存在の野沢菜。もちろん、わさびも長野のもの。おかずに群馬の赤城鶏のみそ焼き。みそは群馬自慢の十石みそが使われています。その隣にあるのが新潟・栃尾の油揚げ。付け合わせのこんにゃくは群馬名産。なんと日本のこんにゃくの9割は群馬産なんですね。文字どおり、新潟、長野、群馬の三州の食材でできたメニューです。

画像: 「三州わさび丼膳」の生わさび。食べるときにすりおろすことで、新鮮な香りや辛味が味わえる。

「三州わさび丼膳」の生わさび。食べるときにすりおろすことで、新鮮な香りや辛味が味わえる。

そんな三州の食材を使った料理の楽しみ方は、3パターン。最初は、野沢菜とおかずでご飯を楽しみ、続いてすりおろしたわさびと一緒に。最後にだし汁をかけてお茶漬けとしていただきます。

感激するのは素材ひとつひとつが美味しいということ! ご飯、うまいです。野沢菜、うまいです。そしてこんにゃくも、赤城鶏のみそ焼きも最高。さらに、味付けが上品! 栃尾の油揚げは、ひと口サイズでサクサクした食感が楽しめます。何よりも嬉しいのが、生わさび。すりおろしているだけで贅沢な気分に浸れ、その鮮烈な辛さも一興。この生わさびの大きな存在感が、この料理の最大の魅力でしょう。

豪快な肉ドンブリかと思えば、実は思いやりある繊細料理

画像: 「上州ぽ~く亭」の「溶岩焼きロース・バラ豚丼」(1210円)。2種類の豚肉をリンゴをたっぷり使った甘辛タレでいただく。

「上州ぽ~く亭」の「溶岩焼きロース・バラ豚丼」(1210円)。2種類の豚肉をリンゴをたっぷり使った甘辛タレでいただく。

続いて紹介するのがフードコートにある「上州ぽ~く亭」の「溶岩焼きロース・バラ豚丼」(1210円)。見てのとおり、ドンブリから炙った豚肉がはみ出す迫力の料理です。ところが、話を聞いてみると意外や意外、手が込んでいるのです。

お肉は群馬県産の豚ロース肉とバラ肉の2種類。これを溶岩石の石焼にすることで、遠赤外線効果で肉を柔らかくし、その上に特製のタレで味付けします。タレは、リンゴづくし。リンゴのワイン、リンゴのお酢、リンゴのジャムを使って、旨味と甘みをバランスさせたものとか。

実際にいただいてみると、バラ肉とロース肉で、味が、けっこう違っているんですね。脂たっぷりの旨味が味わえるバラ肉とさっぱり味のロース肉。しかもリンゴをたっぷり使ったタレは甘辛なのですが、ベタベタせずに、さっぱりとしたあと味。バラ肉100グラム、ロース肉100グラムとそれなりのボリュームがあるのですが、まったく飽きることなく、あっという間に食べ終えることができてしまいました。見た目は豪快ですが、味付けは繊細な工夫がたっぷり。「上州ぽ~く亭」鉄板の人気メニューというのも理解できます。

新潟、長野、栃木、群馬、そして埼玉という幅広い地域から東京に向かう上里SA(上り)。そのバックボーンとなるバラエティ豊かな地域性をグルメでも楽しめる! 何とも嬉しいSAではないでしょうか。(文と写真:鈴木ケンイチ)

■上里SA(上り)

「GRILL 膳-ZEN-」 11:00~22:00(ラストオーダー 21:30)
     土・日・祝 7:00~22:00(ラストオーダー 21:30)
「上州ぽ~く亭」 10:00~22:00
※コロナ禍の影響により、営業時間が変更になる場合があります。

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