2020年10月31日、日本時間18時(現地10時)、F1第13戦エミリア ロマーニャGPがイモラサーキットで幕を開ける。イタリアでのレースは今季3戦目となるが、イタリアGPではアルファタウリ・ホンダのピエール・ガスリーが優勝、トスカーナGPではレッドブル・ホンダのアレクサンダー・アルボンが3位とホンダ勢が好結果をあげているだけに、楽しみなグランプリとなりそうだ。土曜日の開始を前に、イタリア入りしたレッドブル・ホンダを中心に最新情報をお送りしよう。

イタリアでの新型コロナウイルス感染拡大から急遽無観客開催に

F1第13戦エミリア ロマーニャGPの舞台は、14年ぶりのF1開催となるイタリアのイモラサーキット。前回開催の2006年サンマリノGPでは、フェラーリのミハエル・シューマッハが優勝、2位にホンダのジェンソン・バトン、3位に同じくホンダのルーベンス・バリチェロが入賞している。

イモラサーキットで忘れることができないのがアイルトン・セナ。1994年のサンマリノGPでセナが亡くなるという悲劇の舞台となった。また予選日にローランド・ラッツェンバーガーも事故死。イモラサーキットは偉大なF1ドライバーに敬意を抱いて戦う場となる。

また、新型コロナウイルスの感染拡大に伴うカレンダー改定により、イタリアでのグランプリ開催は実に今季3回目。1国1グランプリを原則としているだけに異例なことだが、イタリアGPでガスリーが優勝、トスカーナGPでアルボンが3位となる一方で、フェルスタッペンはイタリアでの2戦では苦戦しているだけに、このグランプリにかける思いはいろいろあるだろう。それはフェラーリにとって、さらに強いかもしれない。

ちなみにイモラサーキットは、アルファタウリのファクトリーがあるファエンツァのすぐ近くにあり、チームにとっては文字通り「ホームグランプリ」になる。

エミリア ロマーニャGPが2デイ開催の形式となるのも異例なこと。土曜日午前中までマシンを走らせることはできず、90分のフリー走行の後、午後にはいきなり予選を戦うことになる。

画像: イモラサーキットのコース図。トラック幅の狭い所もあり、オーバーテイクは簡単ではないといも言われる。

イモラサーキットのコース図。トラック幅の狭い所もあり、オーバーテイクは簡単ではないといも言われる。

ホンダの田辺豊治F1テクニカルディレクターは、グランプリ開幕を前に「イモラサーキットは長い歴史を持つ高速サーキットとして知られており、2006年までサンマリノGPの開催地となっていました。今週末はF1の歴史でも例のない2日間の開催フォーマットでグランプリが行われる予定で、土曜に90分の練習走行を1度行った後、午後に予選、日曜にレースという形式で週末が進みます。イモラでは現行レギュレーションでのレースが初開催となると同時に、2日間フォーマットということで事前のシミュレーションが大切になります。忙しい週末になりますが、今年これまで経験してきたことを活かして、短いプラクティスセッションに対応してきっちりと予選、レースに向けて最適化を進めようと考えています」とコメント。レッドブル・ホンダのふたりのドライバーはインタビューで次のように語っている。

マックス・フェルスタッペン

画像: 「イモラでのグランプリは素晴らしいものになると思う」と語るマックス・フェルスタッペン(レッドブル・ホンダ)。

「イモラでのグランプリは素晴らしいものになると思う」と語るマックス・フェルスタッペン(レッドブル・ホンダ)。

「ポルトガルGPで40回目の表彰台となりましたが、その数字は気にしていません。もちろん、表彰台を増やすのはいいことですが、私たちは勝つためにここにいるので、チームとしてさらに良くなるために働き続ける必要があります。イモラでは反時計回りが問題になることはないと思いますが、このトラックはかなり狭く、縁石を使う必要があります。また、トップスピードとコーナリングスピードの妥協点を見つけることも重要になります。オーバーテイクは簡単ではないと思いますが、予選をうまくやれれば、オーバーテイクがそれほど必要なくなります」

アレクサンダー・アルボン

画像: 「イモラサーキットは好きなコース」というアレクサンダー・アルボン (レッドブル・ホンダ)。

「イモラサーキットは好きなコース」というアレクサンダー・アルボン (レッドブル・ホンダ)。

「ポルトガルGPはスタートが悪く、どういうわけか、ソフトコンパウンドがきちんと動かず、厄介なレースになりましたが、フリー走行と予選はいい状態でした。全体的には年間を通して改善されています。イモラは非常に速く、ドライバーにとって常に楽しいものであり、ここをF1マシンで走ることに興奮しています。クリーンに走るために、上位にいなければいけません。そのために時間を無駄にしないようにクルマを仕上げていきます」

【参考】2020年F1第12戦ポルトガルGP 決勝 結果

優勝 44 L.ハミルトン(メルセデスAMG) 66周
2位 77 V.ボッタス(メルセデスAMG))+25.592s
3位 33 M.フェルスタッペン(レッドブル・ホンダ)+34.508s
4位 16 C.ルクレール(フェラーリ) +65.312s
5位 10 P.ガスリー (アルファタウリ・ホンダ)+1周
6位 55 C.サインツ(マクラーレン・ルノー)+1周
7位 11 S.ペレス (レーシングポイント・メルセデス)+1周
8位 31 E. オコン(ルノー) +1周
9位 3 D.リカルド(ルノー)+1周
10位 5 S.ヴェッテル(フェラーリ) +1周
12位 23 A.アルボン (レッドブル・ホンダ) +1周
19位 26 D.クビアト(アルファタウリ・ホンダ) +2周

【参考】F1ドライバーズランキング(第12戦終了時)

1位 L.ハミルトン(メルセデスAMG)256
2位 V.ボッタス(メルセデスAMG)179
3位 M.フェルスタッペン(レッドブル・ホンダ)162
4位 D.リカルド(ルノー)80
5位 C.ルクレール(フェラーリ)75
6位 S.ペレス (レーシングポイント・メルセデス)74
7位 L.ノリス(マクラーレン・ルノー)65
8位 A.アルボン (レッドブル・ホンダ)64
9位 P.ガスリー (アルファタウリ・ホンダ)63

【参考】F1コンストラクターズランキング(第12戦終了時)

1位 メルセデスAMG 435
2位 レッドブル・ホンダ 226
3位 レーシングポイント・メルセデス126
4位 マクラーレン・ルノー 124
5位 ルノー 120
6位 フェラーリ 93
7位 アルファタウリ・ホンダ 77

第13戦エミリア・ロマーニャGPは10月31日10時(日本時間18時)から始まるフリー走行で開幕、予選は10月31日14時(日本時間22時)、決勝は11月1日13時10分(日本時間21時10分)に開始される。

なお、当初は観客を入れて開催される予定だったが、イタリアで新型コロナウイルス感染拡大の状況が悪化していることから、無観客開催に変更されることになった。

2020年F1グランプリ スケジュール

第1戦 7月3日〜5日 オステルライヒGP (V.ボッタス)
第2戦 7月10日〜12日 シュタイアマルクGP(L.ハミルトン)
第3戦 7月17日〜19日 ハンガリーGP(L.ハミルトン)
第4戦 7月31日〜8月2日 イギリスGP(L.ハミルトン)
第5戦 8月7日〜9日 70周年記念GP(M.フェルスタッペン)
第6戦 8月14日〜16日 スペインGP (L.ハミルトン)
第7戦 8月28日〜30日 ベルギーGP(L.ハミルトン)
第8戦 9月4日〜6日 イタリアGP(P.ガスリー)
第9戦 9月11日〜13日 トスカーナGP(L.ハミルトン)
第10戦 9月25日〜27日 ロシアGP(V.ボッタス)
第11戦 10月9日〜11日 アイフェルGP(L.ハミルトン)
第12戦 10月23日〜25日 ポルトガルGP(L.ハミルトン)
第13戦 10月31日〜11月1日 エミリア ロマーニャGP
第14戦 11月13日〜15日 トルコGP
第15戦 11月27日〜29日 バーレーンGP
第16戦 12月4日〜6日 サヒールGP
第17戦 12月11日〜13日 アブダビGP
※( )内は優勝者

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