2020年11月28日、F1第15戦バーレーンGPの予選がバーレーン・インターナショナル・サーキット(サヒール・サーキット)で行われ、メルセデスAMGのルイス・ハミルトンがポールポジションを獲得。2番手にチームメイトのバルテリ・ボッタスが入った。レッドブル・ホンダはマックス・フェルスタッペンが3番手、アレクサンダー・アルボンが4番手と好位置につけている。またアルファタウリ・ホンダのピエール・ガスリーが8番手、ダニール・クビアトが10番手と、ホンダ勢は4台すべてがトップ10に入り、日曜日の決勝を迎えることになった。
ホンダのパワーユニット好調、4台そろってトップ10入り
気温26度と路面温度27度とバーレーンとしては涼しいコンディションの中で、メルセデスAMGのハミルトンが危なげない走りであっさりとポールポジションを獲得した。3回の予選すべてでトップタイムをマーク、ミディアムタイヤでもソフトタイヤでも好タイムをマークしてみせた。
ハミルトンにとって今季10回目、通算98回目、バーレーンでは3回目のポールポジションとなる。前戦のトルコGPでチャンピオンも確定し、プレッシャーから解放され、まるで予選を楽しんでいるかのようだった。
ホンダ勢は4台すべてが予選Q3への進出。4台揃ってのQ3進出はエミリア・ロマーニャGP以来2戦ぶり今季2回目となる。
Q3では、フェルスタッペンが最初のタイムアタックでトップから0.2秒差でメルセデスの2台の間に入ったが、最後のタイムアタックではライバルほどタイムを伸ばせず、3番手に終わった。それでも路面の汚れが少ない奇数列からのスタートは悪くない。
チームメイトのアルボンも好調で、フェルスタッペンの隣、予選自己ベストタイの4番グリッドからレースを開始する。
なお、予選トップ4以降は大混戦で、4番手から10番手までの7台が0.296秒の間に入る中、ガスリーが8番手、クビアトが10番手でQ3を終えている。
結果として全4台がトップ10入りを果たし、しかも4台ともミディアムタイヤでのレーススタートで、オーバーテイクが可能なバーレーン・インターナショナル・サーキットでどんなレースを見せるか楽しみになってきた。
ホンダの田辺豊治F1テクニカルディレクターは、決勝レースに向けて「4台が揃ってQ3進出を果たし、予選はまずまずの結果になりました。レッドブル・ホンダのフェルスタッペン選手が3番手、アルボン選手が4番手と、2台揃って2列目からレースをスタートできることは、悪くないと思っています。アルファタウリ・ホンダの2台については調子のよさを見せていただけに、非常に僅差での8番手と10番手はやや残念な部分もありますが、ロングランペースは悪くないのでレースでポジションを上げてくれればと考えています。ここのところ予選結果を上手くレースの結果に繋げられていないので、チームと連携してよいポジションでフィニッシュできるように準備を進めます」とコメント。ドライバーは次のように語っている。
マックス・フェルスタッペン
「予選のアタックはまずまずでしたが、低速コーナーでリアのグリップを欠いてしまった部分がありました。ただ全体としてはいい予選だったと思います。もちろんポールポジションを獲りたかった気持ちはありますが、それは現実的ではない状況でしたし、あまり汚れていない奇数側3番グリッドからのスタートという結果は悪くないと思っています。ここはタイヤに非常に厳しいサーキットなので、ベストな選択をしていければと思いますし、レースがどうなるか楽しみにしています。僕たちはタイヤについていくつかの選択肢を残しているので、レースで正しいチョイスをできることを願っています。メルセデスと戦えるかという点についてはいつも難しい部分ですし、彼らはいい走りを見せていました。日曜日のレースではできる限り彼らの近くを走り、チャンスを見出せればと考えています」
アレクサンダー・アルボン
「もう少しいい結果が欲しかったと思う部分もありますが、自身の予選でのベストリザルトに並べたことはうれしく思っています。2台が2列目からスタートできるということも、メルセデスと戦っていくうえでは僕たちにメリットをもたらしてくれます。フリー走行3回目で調子が良かったので、プッシュしていくつもりで予選に臨みました。金曜日に比べて僕たちは驚くほど速くなっていましたが、まだロングランは走っていないので、レースでどうなるかが楽しみです。日曜日はミディアムタイヤでのスタートになりますが、ここではタイヤの摩耗が激しいのでタイヤマネジメントがキーになります。間違いなく面白いレースになると思います」
ピエール・ガスリー
「2台がそろってQ3に進出し、ポジティブな結果になりました。チームのことを考えるとうれしいのですが、僕自身は8番手という結果に少しがっかりしています。レースウイークに入って非常に好調だったので、もっといい結果を望んでいました。トップ5まで0.1秒差という接戦でしたし、3列目からスタートしたかったと感じています。しかし、結果は結果ですし、決勝のスタート位置としては十分にいいグリッドだと思います。レースは非常にエキサイティングなものになることを予想していますし、いい順位でフィニッシュするチャンスがあると考えています。戦略面では、普段とは少し異なるものになる気がしていますし、チームによって異なるオプションを取る可能性もあると思います。タイヤのデグラデーションがキーになりますし、レースが楽しみです」
ダニール・クビアト
「いい走りができて、非常に満足しています。Q2で、2種類のコンパウンドのタイヤでそれぞれ一発勝負を行いましたが、手堅い走りができました。プレッシャーがありましたが、やり切りました。Q3ではいくつかミスがあったのと、フロントウイングのセッティングがわずかに悪かったので、結果には満足していません。しかし、予選全体では力強い走りができましたし、いい位置から決勝をスタートできます。このトラックではタイヤの消耗が激しいので、ここまでの想定とは違います。これまでもタイヤマネージメントが難しいレースはいくつかありましたが、日曜日は特に興味深いチャレンジになると思います」
タイヤを供給するピレリは「グリッドのトップ10はすべてミディアムタイヤでQ2を通過しているので、上位はこのコンパウンドで決勝レースをスタートします。 メルセデスのルイス・ハミルトンは、Q2をミディアムタイヤで、Q3ではソフトでトップタイムをマークしました。このサーキットの粗い表面はタイヤの摩耗が激しく、2ストッパーが主流となるでしょうが、2回目のスティントでどのコンパウンドを走らせるかについていくつかのオプションがあり、ドライバーはタイヤ、特にリアソフトを慎重にマネージメントする必要があります。最速はミディアムでスタートしソフトーソフトとつなぐ戦略となるでしょう。そのほかには、ミディアムーミディアムーソフト、ミディアムーミディアムーハードも考えられます。ピットで時間がかかりすぎるので、3ストッパーを選ぶ意味はないでしょう。土曜日に行われたF2ではオーバーテイクの戦略が見られました。F1の決勝レースのオーバーテイクがたくさん見られるはずです」と分析している。
第15戦バーレーンGP決勝は11月29日23時10分(現地時間17時10分)にスタートする。
2020年F1第15戦バーレーンGP 予選結果
PP 44 L.ハミルトン(メルセデスAMG) 1:27.264
2位 77 V.ボッタス(メルセデスAMG) 1:27.553
3位 33 M.フェルスタッペン(レッドブル・ホンダ) 1:27.678
4位 23 A.アルボン (レッドブル・ホンダ) 1:28.274
5位 11 S.ペレス (レーシングポイント・メルセデス) 1:28.322
6位 3 D.リカルド(ルノー) 1:28.417
7位 31 E.オコン(ルノー) 1:28.419
8位 10 P.ガスリー (アルファタウリ・ホンダ)1:28.448
9位 4 L.ノリス (マクラーレン・ルノー)1:28.542
10位 26 D.クビアト(アルファタウリ・ホンダ)1:28.618