2019年、MINI史上最速モデルとして世界限定3000台、日本限定240台としてデビューした「MINI John Cooper Works GP」を覚えているだろうか。この世界的に貴重な限定ハイパフォーマンスMINIの専用マフラーを、オーストリアのマフラーメーカー「レムス(REMUS)」がリリースした。

306psをマークする「MINI John Cooper Works GP」の凄すぎるスペック

「MINI John Cooper Works GP」が発表されたのは2019年のこと。しかし、実際に納車が始まったのは2020年の夏くらいからで、しかも日本には240台しか輸入されない超レアなモデルだけに街中で見かけることはほとんどないだろう。そんな貴重な限定モデルなのだが、オーストリアのマフラーメーカー「レムス」が専用のエキゾーストをリリースした。商品紹介の前に「MINI John Cooper Works GP」とはどんなクルマだったのかを紹介しよう。

一見してノーマルのJCWとは異なるド派手なエクステリアパーツを装着した「MINI John Cooper Works GP」。その中でもとくに目を引くのが、大きく張り出した前後のオーバーフェンダーだ。ハンドメイドで成型されたこのフェンダーはカーボンファイバー製だ。一般的にオーバーフェンダーはボディ形状に沿ってピッタリと密着して装着されるが、GPのオーバーフェンダーはボディから浮いているように装着されている。

さらにフロントフェンダーには車体のシリアル番号が大きく記載され、ルーフには巨大な「GP」のロゴをあしらったリアウイングが装着されるなど、ただのMINIではない威圧感をひしひしと感じさせる。

画像: ボディカラーはGP専用の「レーシンググレーメタリック」。日本限定240台で車両価格は576万円で販売された。

ボディカラーはGP専用の「レーシンググレーメタリック」。日本限定240台で車両価格は576万円で販売された。

もちろんGPはノーマルJCWにこれらの外装を装着しただけではない、エンジンや足まわりも専用チューニングが施されている。JCWが搭載する2L直4ターボエンジンをベースに、クランクシャフト、ベアリング、ピストン、コネクティングロッド、バイブレーションダンパーなどを見直したことで75psものパワーアップを実現。さらにオイルパンはコーナリング時に発生するオイル偏りを防止する形状へ変更されるなど、徹底してサーキット走行を視野に入れたチューニングが施されている。

これにより最高出力306ps/最大トルク450Nmを発生し、0→100km/h加速は5.2秒、最高速は265km/hという驚異的なパフォーマンスを実現する。このパワーを前輪だけで受け止めるのだから驚きだ。

そうなると当然足まわりも強化されている。サスペンションはノーマルJCWより10mmダウンし、ブレーキキャリパーは大型化され、GP専用ホイールには225/35R18を装着。さらにLSDも搭載されている。

画像: パワーアップもさることながら、徹底したサウンドチューニングが施され車検にも対応する。

パワーアップもさることながら、徹底したサウンドチューニングが施され車検にも対応する。

正直、これ以上のパワーアップの必要ないと思うのは当然だが、幸運なオーナーの中には、まだまだもの足りないと感じている人もいるのだろう。そんな声を具現化したのかは不明だが、レムスはGP専用マフラーを2タイプリリースした。

ひとつ目は、車検対応の「コネクションチューブメインサイレンサー」だ。これを装着することでノーマルスペックから+9.4psの316.4ps、+13.5Nmの463.5Nmまでパワーアップする。さらに5.2kgも軽量化するなど、15万9500円(税別)でこのスペックが手に入るのだ。

この他にクローズドコース専用品も設定されている。こちらはノーマル比で+12.6psの318.6ps、 +28.6Nmの478.6Nmまでパワーアップする。こちらの価格は30万2500円。

もはやこれ以上手を加える必要がないほど仕上げられ、かつ世界限定3000台という貴重な「MINI John Cooper Works GP」。これを手に入れた幸運なオーナーにとっては、GP専用パーツがリリースさえたこと自体、貴重なのかもしれない。

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