強い風と砂で汚れた路面、そして暑さがポイント
開幕戦バーレーンGPの見どころは、まず各チームの今年のマシンの実力を確認することができることだろう。開幕前の公式テストではどのチームも手の内をすべて見せているわけではないので、この開幕戦の1回目のフリー走行にまず注目しよう。
バーレーンGPが行われるバーレーン・インターナショナル・サーキット(正式名称=Bahrain International Circuit )は、砂漠の中にF1グランプリ開催のために建設されたレーストラック。その地名からサヒール・サーキットとも呼ばれている。複数のコースレイアウトで使用できるようにデザインされているのも特徴で、昨シーズンは第15戦バーレーンGPが通常のコースレイアウトで、続く第16戦サヒールGPがアウタートラックと呼ばれるショートコースで行われた。
今年2021年開幕戦は通常の1周5412mのレイアウトで行われる。そのコースは4本のストレートに15のコーナーが待ち受けるストップ&ゴー型のもので、横方向の負荷ではなく縦方向のトラクションとブレーキングが重要となる。また、ランオフエリアが広く安全性が高いため、激しいバトルが見られるのも特徴となる。DRSポイントが3カ所設けられているので、今年も多くのオーバーテイクシーンが見られそうだ。
開催時期が例年の春先に戻ったが、雨の心配はまずない。むしろドライバーを悩ませるのは、強い風と周囲の砂漠からやってくる砂。強い風は空力を追求したF1マシンに大きな影響を与え、路面に付着した砂はタイヤグリップが減少させるばかりか、タイヤの摩耗も進めることになる。
また、エンジンやタイヤにとって熱も大きな課題で、日中の陽射しを避けて、予選と決勝の開始は夕方の時間にスケジュールされる。そのため決勝は「トワイライトレース」と呼ばれる。実際、昼間と夕方の条件は大きく異なり、午後行われるフリー走行の1回目と3回目は例年あまり参考にならない。
ちなみに昨年のバーレーンGPは2020年11月29日に行われ、スタート直後のロメイン・グロージャンの炎上事故により赤旗中断となったが、再開後、メルセデスAMGのルイス・ハミルトンがポールtoウインを飾った。レッドブル・ホンダのマックス・フェルスタッペンが2位、アレキサンダー・アルボンが3位に入賞している。
【参考】2020年F1第15戦バーレーンGP 決勝 結果
優勝 44 L.ハミルトン(メルセデスAMG) 57周
2位 33 M.フェルスタッペン(レッドブル・ホンダ)+1.254s
3位 23 A.アルボン (レッドブル・ホンダ) +8.005s
4位 4 L.ノリス(マクラーレン・ルノー)+11.337s
5位 55 C.サインツ(マクラーレン・ルノー)+11.787s
6位 10 P.ガスリー (アルファタウリ・ホンダ) +11.942s
7位 3 D.リカルド(ルノー)+19.368s
8位 77 V.ボッタス(メルセデスAMG)+19.680s
9位 31 E.オコン(ルノー) +22.803s
10位 16 C.ルクレール(フェラーリ) +1周
11位 26 D.クビアト(アルファタウリ・ホンダ) +1周
2021年バーレーンGPは、3月26日14時30分(日本時間20時30分)からのフリー走行1回目で開幕、予選は3月27日18時(日本時間24時)、決勝は3月28日18時(日本時間24時)に開始される。
2021年F1開幕戦バーレーンGP タイムスケジュール
フリー走行1回目:3月26日14時30分〜15時30分(日本時間20時30分〜21時30分)
フリー走行2回目:3月26日18時〜19時(日本時間24時〜27日01時)
フリー走行3回目:3月27日15時〜16時(日本時間21時〜22時)
予選:3月27日18時〜19時(日本時間24時〜28日01時)
決勝:3月28日18時〜(日本時間24時〜)