後半戦に突入、勢力図に大きな変化なし?
週末のスパ・フランコルシャンは雨模様の天気が続く予報だが、初日も場所によって強い雨に襲われたり、小雨が降ったり、また時に青空も顔を見せるなど、不安定な天候となった。
午前中のフリー走行1回目は、ウエットからドライへと切り替わる難しいコンディションの中、終盤ソフトタイヤで走行したメルセデスのバルテリ・ボッタスが最速タイムをマークした。
フェルスタッペンは2番手、これにピエール・ガスリー(アルファタウリ・ホンダ)が3番手で続き、セルジオ・ペレス(レッドブル・ホンダ)は6番手に。スパでのF1マシン初走行となった角田裕毅(アルファタウリ・ホンダ)は、スピンを喫する場面があったものの15番手につけた。
スパ・フランコルシャンは、全長7004kmとF1カレンダー上で最も長いサーキット。高低差に富んだ高速コーナーが多く全開率も高いため、パワーユニットにとってシーズン中最もタフなサーキットのひとつとされている。そんな中で、ホンダは好調なスタートを切った。
午後のフリー走行2回目も、路面がやや濡れた状態から路面が乾いていく微妙な状況。多くのチームがスリックタイヤでの走行が可能になったタイミングでコースインし、フェルスタッペンがメルセデス勢の2台を抑えてトップタイムをマークする。
セッション残り時間わずかとなったところで、シャルル・ルクレール(フェラーリ)がセクター1でクラッシュし赤旗中断。残り10分でセッションが再開されたが、今度はターン7の出口でフェルスタッペンがスピン。これで再び赤旗が掲示され、セッションはそのまま終了となった。一部路面が湿った難しい状況だったようだ。
フェルスタッペンはマシンの右後部にダメージを負ったものの初日をトップで終了。ガスリーもフリー走行2回目5番手と好調を維持し、ペレスは10番手、角田は12番手となった。
メルセデスのルイス・ハミルトンはフリー走行1回目こそ遅いクルマに引っかかりタイムを出せなかったが、フリー走行2回目ではきっちりと3番手タイムをマークしている。
2021年F1第12戦ベルギーGPフリー走行1回目 結果
1位 77 V.ボッタス(メルセデス)1:45.199
2位 33 M.フェルスタッペン(レッドブル・ホンダ)1:45.363
3位 10 P.ガスリー(アルファタウリ・ホンダ)1:45.699
4位 16 C.ルクレール(フェラーリ)1:45.818
5位 55 C.サインツ(フェラーリ)1:45.935
6位 11 S.ペレス(レッドブル・ホンダ)1:46.127
7位 5 S.ヴェッテル(アストンマーティン・メルセデス)1:46.177
8位 4 L.ノリス(マクラーレン・メルセデス)1:46.336
9位 31 E.オコン(アルピーヌ・ルノー)1:46.497
10位 14 F.アロンソ(アルピーヌ・ルノー)1:46.612
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15位 22 角田裕毅(アルファタウリ・ホンダ)1:46.928
2021年F1第12戦ベルギーGPフリー走行2回目 結果
1位 33 M.フェルスタッペン(レッドブル・ホンダ)1:44.472
2位 77 V.ボッタス(メルセデス)1:44.513
3位 44 L.ハミルトン(メルセデス)1:44.544
4位 14 F.アロンソ(アルピーヌ・ルノー)1:44.953
5位 10 P.ガスリー(アルファタウリ・ホンダ)1:44.965
6位18 L.ストロール(アストンマーティン・メルセデス)1:45.180
7位 31 E.オコン(アルピーヌ・ルノー)1:45.302
8位 5 S.ヴェッテル(アストンマーティン・メルセデス)1:45.336
9位 4 L.ノリス(マクラーレン・メルセデス)1:45.386
10位 11 S.ペレス(レッドブル・ホンダ)1:45.404
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12位 22 角田裕毅(アルファタウリ・ホンダ)1:45.758
パワーサーキットでホンダのパワーユニットが本領発揮
ホンダの田辺豊治F1テクニカルディレクターは「スパウェザーと言われるように不安定な天候のため、路面には一部ダンプ状態などもありましたが、基本的にドライで走行できました。ホンダのパワーユニットを搭載する4台は、初日のメニューを予定通り消化しました。フェルスタッペン選手がマシンのコントロールを失い壁に接触するトラブルがありましたが、現時点ではパワーユニットのデータ上で特に異常は見られていません」とコメント。各ドライバーは次のように語っている。
マックス・フェルスタッペン(レッドブル・ホンダ)
「ポジティブなスタートが切れましたが、最後にリアのコントロールを失いました。ややオーバーステアになりすぎ、ウォールにヒットしてしまいました。チームとしては調整も含めてすべてが順調に進み、満足しています。ウエットで路面がどのようになるかを判断するのは難しいですが、土曜も日曜も今日と似た天候になると思うので、面白い戦いになるはずです。また、チェコ(ペレス)が来季もチームに残ることが決まりましたが、素晴らしいことです」
セルジオ・ペレス(レッドブル・ホンダ)
「マシンのフィーリングはよく、今週末は力強いポテンシャルがあり、予選でも上位につけられると思います。今日のペースはよかったですし、予選でベストなパッケージを手にするために、これからそれを分析していきます。来季の契約が決まったのは素晴らしいことで、今季にエネルギーを注いでいくことができます。まずは今週末の戦いに集中し、ベストな結果を出せればと思います」
角田裕毅(アルファタウリ・ホンダ)
「今週末、僕が目指すのは安定性で、フリー走行の各セッションを通じて徐々にペースを上げていきます。ここまではそれが上手くいき、セッションをこなす毎に適応してパフォーマンスを向上させられていると思います。チームで見ればペースがいいことは分かっているので、このまま向上していって自信を深めて明日の予選に向かいたいです」
ピエール・ガスリー (アルファタウリ・ホンダ)
「僕らにとって、今週末を可能な限りベストな形でスタートすることが重要でしたが、今日は3番手と5番手で終えられて、それが達成できたと思います。予選に向けて取り組むべき領域は分かっていますし、常に向上できる点はあるものです。今日もさまざまなコンディションとなったように、ここスパでは天候が非常に変わりやすいので、これについても準備が必要です。僕らのベースラインはいいと思うので、予選ではすべてが上手く機能することを確認できればと思います」
タイヤを供給するピレリは「今日のコースコンディションは理想からは程遠いものでした。ほとんどがドライでしたが、路面は湿っていて一貫性がありませんでした。それもあってルクレールとフェルスタッペンのコースオフしています。タイヤ間のパフォーマンスギャップを判断するのは難しいですが、ソフトとミディアムの間には約0.5秒、ミディアムとハードの間には約0.6秒あると思われます。トラックは一日中トリッキーなままで、ドライバーはベストラップを見つけるのに苦労していますが、この変わりやすいスパウェザーは週末にも当てはまりそうです。雨が降った場合、チームはウエットタイヤからスリックタイヤへ、またはその逆のクロスオーバーポイントを検討することが重要になります」と分析している。
F1第12戦ベルギーGPの予選は8月28日日本時間22時(現地時間15時)、決勝は8月29日日本時間22時(現地時間15時)に開始される。
2021年F1第12戦ベルギーGP タイムスケジュール
フリー走行3回目:8月28日12時~13時(日本時間19時~20時)
予選:8月28日15時〜16時(日本時間22時~23時)
決勝(44周):8月29日15時~(日本時間22時~)