カーリースやレンタカーなどクルマを所有せずに利用する方法は過去からあったが、ここ最近ではカーシェアやサブスクなどの新たな利用形態も増えてより使いやすくなった。そんな、運転免許さえ持っていれば誰でもドライブに行ける今だからこそ、あえてクルマで行きたい場所がある。今回は長野県松本市にある「Satoyama villa 本陣」に行ってみた。(Motor Magazine 2020年12月号より)

藩主が利用した本陣を使えるだけでも格別な体験

近頃は旅のスタイルが変わってきた。3密を避けるためにマイカーでのドライブや自然の中で過ごすこと、そしてプライバシー性の高いヴィラや一棟貸しに関心が集まっている。そんなスタイルにマッチする宿が2020年秋にオープンした。松本と上田を結ぶ保福寺街道沿いに建つ一棟貸しの「Satoyama villa 本陣」だ。

本陣の名のとおり、元は江戸時代の松本藩主が参勤交代の折に休泊利用した施設。集落の中でもひと際大きい瓦屋根が目を引く建物は、木造階建てで藩主用の風格ある玄関(一番左)を備える。母屋は大正2年に再建されているが、ケヤキの太い梁や書院造の座敷など、格式高い空間と趣が残されている。ほかにも大きな蔵や昭和初期の洋館があり、歴史的建造物としての魅力もたっぷりだ。

画像: 4人での利用が可能となる2階の「殿様ガーデンビュージュニアスイート」。

4人での利用が可能となる2階の「殿様ガーデンビュージュニアスイート」。

現代の宿泊施設として改装を手掛けたのは、国際的なホテルレストラン組織ルレ・エ・シャトーのメンバーホテル「扉温泉明神館」。ゲストルームは、もっとも格式の高い座敷を使った名利用可能な121平方メートルの「殿様ガーデンビュー」を筆頭に90平方メートルの「殿様ガーデンビュージュニアスイート」や洋館を使った離れなど4つ。

いずれも往時の趣を生かしつつ、気品あるモダンな内装で寛げる空間となっている。キッチンが備わるほか、扉温泉のシェフやスタッフが出向くサービスも導入予定という。一棟貸しゆえ、複数の家族や友人たちと過ごす、あるいは仲間とのツーリング時にも最適だろう。

まわりにはなにもない。実にのどか。だが、クルマ旅なら話は別。美ヶ原スカイラインをはじめ極上のワインディングルートがそこかしこにある上、松本市内も近く、近隣には温泉や史跡も点在する。信州のドライブ散策には最適なベースとなるに違いない。なにより藩主が利用した本陣を使えるだけでも格別な体験だ。本当の殿様気分?が味わえる宿である。(文:小倉 修/写真:永元秀和)

画像: 今回のリノベーションによって床下から発見された「囲炉裏」も復元されている。

今回のリノベーションによって床下から発見された「囲炉裏」も復元されている。

Satoyama villa 本陣

画像: ■Satoyama villa 本陣 長野県松本市保福寺町246 中央道・安曇野ICから約30分 shigahonjin.jp

■Satoyama villa 本陣
長野県松本市保福寺町246
中央道・安曇野ICから約30分

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