新型フェアレディZの国内仕様のお披露目がいよいよ年明けに迫ってきた。脱炭素化に向けて各メーカーが新たなモビリティ戦略を提示する中、果たして日産はこの50年を超える名門ブランドのスポーツカーをどう繋げていくのか? この点を日産の内田誠社長兼CEOに訊いた。かつて、Z32フェアレディZを愛車とし、2020年9月のZプロト公開でも自らZの魅力を語った内田氏が、発売前の新型Zに寄せて、今後の日産とZへの想いを語る。ひとりの経営者として、そしてCar Guyとして、すべてのZ&日産ファンヘのメッセージを全2回にわたってお届けしよう。(インタビュアーはFANBOOK編集部 森田浩一郎/「フェアレディZ Story&History Volume.2」より)
画像: 内田 誠【Makoto Uchida】プロフィール 1966年7月生まれ。幼少期を海外で過ごし、高校時代に帰国。大学を卒業後、1991年4月から商社に勤務し、自動車関連の部門を経験した後、2003年10月に一般採用で日産自動車に転職。以降、アライアンスや購買部門を経験。中国の東風汽車の総裁を務め、2019年12月、社長兼CEO に就任。かつてZ32フェアレディZを所有したこともあり、オートバイも愛する生粋のCar Guyである。

内田 誠【Makoto Uchida】プロフィール
1966年7月生まれ。幼少期を海外で過ごし、高校時代に帰国。大学を卒業後、1991年4月から商社に勤務し、自動車関連の部門を経験した後、2003年10月に一般採用で日産自動車に転職。以降、アライアンスや購買部門を経験。中国の東風汽車の総裁を務め、2019年12月、社長兼CEO に就任。かつてZ32フェアレディZを所有したこともあり、オートバイも愛する生粋のCar Guyである。

インタビューは2021年6月17日、日産グローバル本社役員室で行われた。ちなみにインタビュー前、内田氏は部屋に入るなり開ロ一番、事前にプロフィールを渡してあった筆者に「同じ歳ですよね?」と。かくして同じ「昭和41年オトコ」のノリでインタビューは始まった。

子供の頃からクルマもバイクも大好き

──内田さん、クルマだけでなく、実はバイクもお好きだとか?

内田氏:はい。子どもの頃から海外が長かったのですが、本当にクルマやバイクが好きで、マレーシアにいたときにヤマハのDT100とか乗っていて、モトクロスのまねごとをしたりしていました。あとは帰国してから、カワサキのZ400GPやGPZ1000RXにも乗っていましたね。

──すごいバイク好きですね。ちなみに昔、Z32に乗られていたそうですが?グレードは?

内田氏:ガンメタのツインターボ 2by2、マニュアルでした。

──2by2だとTバールーフ?

内田氏:そうです。前いた会社(商社)の先輩が海外に行くから譲ってくれるというので、思い切ってローン組みました。

──トップグレードですね。結構高かったのでは?

内田氏:はい。まだ社会人になって2・3年目くらいでしたし。でも、ローンが組めたので。ただその後、私も海外勤務になってしまいまして。7カ月くらいしか乗れなかったことが今でも残念に思っています。

──Zは昔から好きだった?

内田氏:はい。実は小学生の時、「サーキットの狼」というスーパーカー漫画にはまって、そのときに出ていた国産車のヒーローがフェアレディZだったのです。

──おぉ!警視庁高速隊の沖田駆るZ432ですね?

内田氏:そうです! アレに憧れまして。やっぱりコレだと。当時はエジプトにいたので、雑誌とか漫画も入ってこなくて・・・。知り合いからバイクやクルマ雑誌を借りて夢中で読んでいました。

──ああ、なるほど。なんとなく分かります。

内田氏:で、コレ、自慢なのですが、バイクの限定解除(大型免許)、(大阪の)門真の試験場の一発試験に行って、3回で取りました!

──おぉ、それはスゴイ!

内田氏:人生の自慢ってそれかもしれない。ほか何も自慢できないから(笑)。

──いやいや(笑)・・・と、広報担当者も「そろそろZの話を・・・」という雰囲気なので(笑)。えーと、まず、ご自身はCar Guyというか、クルマを運転するのはお好きですか?

内田氏:はい。今はあまり機会がないということもあるのですが、運転は好きなので広報に頼んでクルマを借りておいて、土日に出社して仕事がひと段落したら近所をグルッと回ってちょっと楽しんで・・・ということをやっていますね。

画像: 米国市場に展開予定の2023年モデル新型「Z」特別仕様車「プロトスペック」。

米国市場に展開予定の2023年モデル新型「Z」特別仕様車「プロトスペック」。

──いま乗られているクルマは何ですか?

内田氏:初代のリーフです。元々、妻が乗っていたんです。ただ、やっぱりバイクが好きだと、どうしてもクルマもマニュアルに走りますよね。

──あぁ、なるほど。

内田氏:やっぱりこう、自分の体とくっついているという感覚が好きだったし、ずっとクルマはマニュアルだって決めていました。伝わってくるというか、自分がシフトしているって感覚がとても楽しくて。

──じゃあ、自動運転にあまり興味がないというか(笑)

内田氏:いやいや(笑)。それはまた違った分野で興味があるのですけれどね。実は、電気自動車とスポーッカーを持つというのが、今まで持ち続けた理想のコンビネーションなのです。待望のアリアも出ますし、新型Zと一緒に持てたら良いなぁ・・・と。
2017年に役員になったのですが、頑張るために家を建てました。自分でいろいろデザインもして。そのときに2階をリビングにして、1階を寝室にして。なぜかというと、ガレージの壁に大きな窓を入れて、ベッドルームからクルマを見えるような設計にしたかったのです。

──すごいですね。それは。

内田氏:どうしても美しいクルマを置いて、それが家の中からも見えるようにしたいと思って、一生懸命作ったのですが・・・。残念ながら(家族が中国にいるので)ずっと住めていない(笑)。で、「クルマって美しくなきゃいけないな」というのが自分の中にあって・・・。あと、洗車するのが好きなんです。

──えー、そうなんですか!?

内田氏:キレイになるじゃないですか。嬉しいですよね。キレイになったクルマをちょっと斜めからこうね、眺める。とくに夕暮れのときにキレイに見えますよね、クルマ。あれが、本当にカッコいいな、嬉しいな・・・というのがやっぱりあって。当然、運転しても嬉しいのですが。

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