日産自動車(以下、日産)のZ31型フェアレディZは1983年に登場した。初代のS30型は名車の誉れが高かったが、2代目のS130型は、ラグジュアリーさが増したことに加え、排出ガス規制の狭閒で牙を抜かれた感がぬぐえなかった。続く3代目として大きな期待を受けて登場したのがZ31型といえる。ここでは2月15日に発売したムック【GTmemories8 Z31フェアレディZ】から抜粋して、その魅力をお届けしよう

フェアレディZ 200ZRは新世代の直6 DOHCターボでさらに牙を研ぐ

日産 Z31型フェアレディZがはじめて登場して以来、「Z31はV6ターボ」というイメージが定着していたが、それを一気に覆したのが、1985年に登場した200ZRシリーズだ。このクルマは、日産が世界初のセラミックターボを採用した直6 DOHCエンジンを搭載したことで話題となった。

そのエンジンはRB20DETでなる。これはZ31型に初搭載されたのではなく、R31型スカイラインに搭載されていた。ただ、その評判は必ずしも芳しいものではなかった。Z31型では、その汚名をそそぐためにターボチャージャーに軽量で耐熱性の高いセラミックローターを採用した。これによってアクセルペダル操作に対して敏感に反応するエンジンレスポンスを与えられた。

画像: リアを斜めうしろから見ると、バランスの良いシルエットに魅了させられる。走り屋好みのスタイルといえる。

リアを斜めうしろから見ると、バランスの良いシルエットに魅了させられる。走り屋好みのスタイルといえる。

サスペンションは、フェアレディZ専用のスーパーキャパシティサスペンションを引き続き採用したが、スプリングレート、ショックアブソーバーの減衰力をハードな設定にしたほか、駆動系にはビスカスLSDを装着することによって、さらにスポーティな走りを可能とした。

エクステリアは従来型と基本的に同一だが、直6 DOHCにセラミックターボを装着したことを強調するような大型フードエアインテークを装着している。また、ホイールにはエアロディッシュデザインの新造形のアルミホイールを採用し、走りのイメージを強めている。

この200ZRシリーズの登場により、Z31フェアレディZがより硬派なスポーツカーとしてのイメージを固めたと言える。

画像: フード上の大型エアインテークはエンジン上のインタークーラーを冷却し、セラミックターボの効率を引き出す。

フード上の大型エアインテークはエンジン上のインタークーラーを冷却し、セラミックターボの効率を引き出す。

日産 Z31フェアレディZ 200ZR-II 主要諸元

●全長×全幅×全高:4335×1690×1295mm
●ホイールベース:2320mm
●車両重量:1350kg
●エンジン:直6 DOHCターボ
●排気量:1998cc
●最高出力:180ps/6400rpm
●最大トルク:23.0kgm/3600rpm
●トランスミッション:5速MT
●駆動方式:FR
●車両価格:292万円 ※1985年当時

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