リタイア続出のサバイバルレースに
第2戦の舞台は、ショートオーバルのテキサスモータースピードウェイ。開幕戦に続き快晴の中、248周で決勝レースが行われた。
ポールポジションを獲得したのはアローマクラーレンSPのフェリックス・ローゼンクヴィスト。2019年のインディアナポリス以来、自身2度目のトップグリッドを獲得した。2位には開幕戦でシリーズ初優勝を達成したスコット・マクラフラン、3位には佐藤琢磨が入り、今季初のトップ3からのスタートとなった。
スタートからマクラフランが積極的な走りを見せ、2周目にトップに立つ。
一方の佐藤琢磨はスタート直後に5番手まで下がるも、4周目にエリオ・カストロネベスを、7周目にウィル・パワーを交わし、スタート位置までポジションを回復し、前の2台を追う展開に。57周目にはローゼンクヴィストを交わし2位に浮上。この周でマクラフランとローゼンクヴィストは最初のピットインを行ったため、佐藤はトップに立つことになった。前2台が風避けとなり、またホンダエンジンはシボレーエンジンに比べて燃費が良かった。
佐藤琢磨はライバルたちよりも周回を重ね、満を持してピットイン。しかしチームメイトのデイビッド・マルーカスと重なってしまいタイムロス。これが響き、ポジションを大きく落としてしまった。
必死で追い上げてきたものの、99周目にデブリン・デフランチェスコに押し出されるようにウォールに接触、イエローコーションに。佐藤はピットに戻り、一旦コースに戻るも、マシンの状態を見てリタイアすることになってしまった。
レースはリスタートするも、カイル・カークウッドが単独スピンを喫しクラッシュし、再びイエローコーション、さらに129周目のリスタートではグラハム・レイホールのインに飛び込んだデフランチェスコが接触しスピン、アウト側にいたカストロネベスを巻き込む多重クラッシュが発生してしまった。
9台がリタイアする荒れた展開となったレースもいよいよ終盤戦。最終スティントに入り、トップはマクラフラン。レースの大半をリードしたマクラフランの連勝が現実味を帯びてきた残り5周、2位のニューガーデンが距離を詰めてきた。残り1周で後ろに着くと、トラフィックに引っかかってしまったトップのマクラフランを最終ターンのアウト側から見事にオーバーテイク!大逆転でニューガーデンが今季初優勝を飾った。
3位にエリクソン、4位にウィル・パワー、5位にスコット・ディクソンが入り、インディカー転向2年目のNASCARチャンピオン、ジミー・ジョンソンがインディカーシリーズ自己ベストとなる6位入賞を果たしている。また、ジャック・ハービーの代役で出走したサンティノ・フェルッチが急遽決まったレースにもかかわらず9位入賞と力走を見せた。
好成績から一転、厳しいレースになってしまった琢磨
移籍2戦目にして、いきなり予選トップ3に入った佐藤琢磨。新チームでの初オーバルで好成績を出せたのは、本人とチームのハードワーク以外にも理由があった。チームメイトであるデビッド・マルカスはルーキーテストでテキサスを走っており、そのデータが今回の予選での躍進にひと役買ったようだ。
予選でも上位につけ、決勝でのパフォーマンスを見ても佐藤が優勝争いできるのは明白だったが、ピットストップですべてが狂ってしまった。63周目のピットインは、チームメイトのマルカスがピットから出るタイミングと重なってしまい、停車位置を大きくずらしてタイムロスしてしまった。理由はまだ確認できてないが、本来マルカスのピットストップは2周後だったという。まさかの緊急ピットインにより、運悪く勝機を逃してしまったのだ。
ただ、テキサスでの好走は自信を深めるものでもあったという。次戦のロングビーチでもいい走りができると思うので、切り替えていきたいと語った。ロングビーチはインディカーシリーズで初優勝を飾った思い出のサーキット。相性の良いサーキットに、速いマシンとともに乗り込む佐藤琢磨に注目だ!