メルセデスの「底力」を革新する、ふたつの2L 直4ユニット
ひとつ気になるのが、AクラスやCLAなどコンパクトなメルセデスAMGモデルに「45」のナンバリングとともに設定されている、2L 直4ターボユニットとの差別化だろう。
そのスペックは最高出力421ps/最大トルク500Nmと、文句なくクラストップ。たとえばコンパクトな5ドアハッチバック「メルセデスAMG A45 S 4マティック+」には、0→100km/h加速:3.9秒、最高速270km/hという文字どおり異次元のパフォーマンスを与えている。
実はエンジン型式はどちらも「M139」と同じ。異なるのは過給システムで、「45」系に搭載されているものは、通常の排出ガスを使ったターボチャージャーを電動コンプレッサーによってフォローしている。こちらもターボラグを解消することを狙ったテクノロジーだが、搭載されるクラスに合わせた差別化、ということになるのだろうか。
そしてもうひとつ気になる新たな「エントリークラス」としてのそのお値段だが、こちらは2022年4月6日現在で本国でも未発表となっている。新型SL自体、日本への導入は始まっていないものの2022年3月に発表された本国のデータを見ると、ベース車両価格はV8搭載の「メルセデスAMG SL55 4マティック」で15万8240ユーロと、およそ2000万円超になっている。
ちなみに6代目でベースグレードを担っていたSL400が2016年のマイナーチェンジに合わせて登場した当時の価格は1342万円から。同時期に設定されていた5.5L V8搭載のSL63と比較してみると、その価格差は900万円を超えていた。
果たして4気筒モデルの価格設定がどこまで戦略的なものになるのか、そのダイナミックパフォーマンスとともに、いろいろな意味で興味の尽きないニューバージョンと言えそうだ。