フェアレディZの素性の良さを活かしたレース用車両
車両規則「GT4」は、市販車をベースに開発したレース車両で行われるFIA公認のレースカテゴリーで、GT3よりも改造範囲が狭く、コストもリーズナブルなことから近年人気が高まっている。現在、世界中で多くのレースが行われ、世界中の名だたるスポーツカーメーカーが車両を開発している。
NMCのNISMO Racing事業部は、ベースとなるNissan Zの素性の良さを活かし、走行性能、安全性、耐久性、操作性を高次元でバランスさせた「Nissan Z GT4」を開発。今年の6月に開催された「富士24時間レース」にテスト参戦した車両をベースに改良を重ね、プロドライバーからジェントルマンドライバーまで、幅広いレベルのドライバーの要求に応えられるパフォーマンスを実現したとしている。
具体的には、ベースのVR30DDTT型エンジンの素性の良さを活かしながらさらにチューニングを加えてパワーアップ、空力性能についてはレギュレーションで許される範囲内で最大限の性能向上を図ったという。もちろん、シャシとサスペンションはレース用に最適化、コクピットはレーシングカーとしての居住性、操作性を追求したものとなっている。
仕様や価格などの詳細は、11月1日~4日にアメリカで開催される2022 SEMAショーで発表され、希望するチームには2023年シーズンにあわせて車両が供給される。メルセデスAMG GT4やアウディR8 LMS、トヨタGRスープラGT4、マクラーレン・アルトゥーラGT4、BMW M4 GT4などと争う存在となる。
日産自動車のアシュワニ・グプタCOOは次のようにコメントしている。
「日産にとってモータースポーツとは、私たちの飽くなき情熱と比類なき専門性を表現するものです。そして、『Z』はダイナミックなドライビングとパワートレーンでドライバーを魅了するエキサイティングなスポーツカーとしての地位を維持し続けています。このGT4カテゴリーに対応する『Z』が、50年以上にわたる日産『Z』の速さの伝説に、新たな一章を刻むことになると確信しています」