クルマ好きは得てしてオートバイにも興味津々。つまりは「カッコいい乗り物」には目がない。かくゆう私もちょっと贅沢な「2&4ライフ」に憧れている口だが、最近とくに「ネオクラシック」のレトロおしゃれでどこかのどかな、カッコよさに心惹かれている。リターンライダーの心をくすぐるその魅力はいったいどこにあるのか?国内有数のバイクの祭典で、実車を見聞してみた。

クルーザー、スクランブラー・・・さまざまなスタイルを楽しむ

理由はさまざまあるけれど、「リターンライダー」がトレンドになってから久しい。たとえば子供の独立などを機にバイクライフをリスタートさせる中高年の購買意欲は旺盛で、新たなバイクブームの呼び水のひとつになっている。

画像: ヨシムラが手掛けたホンダGB350S。エキゾーストシステム「Slip-On GP-MAGNUM105 サイクロンEXPORT SPEC」などが、さらにネオレトロなスポーツイメージを作り上げている。

ヨシムラが手掛けたホンダGB350S。エキゾーストシステム「Slip-On GP-MAGNUM105 サイクロンEXPORT SPEC」などが、さらにネオレトロなスポーツイメージを作り上げている。

市場が盛り上がれば、製品はさらに進化するしバリエーションだって増えていく。おかげで昨今はシンプルに「カッコいい」と思わせるモデルラインナップが、老舗・新生、国産・輸入を問わずさまざまなブランドから登場している。

中でも「どこか懐かしく、でもしっかり新しい」魅力を備えた「ネオクラシック」たちは、リターンライダーたちの嗜好と絶妙にマッチしているように思える。レトロな雰囲気をしっかり保ちながら、新鮮なおしゃれさや先進的テクノロジーまで盛り込んだ贅沢な仕様は、中高年の物欲を思いきり刺激する。

ひと口に「ネオクラシック」と言っても、そこにはさまざまなスタイルの懐古趣味が存在しているようだ。

たとえばホンダだけ見ても、ネオクラシック系ラインナップは多い。若い女性にも人気の「レブル」はトラディショナルな「クルーザー」にカテゴライズされるし、「GB350」は王道ネイキッド(「オールドルック」)フォルムにモダンなテイストをプラス、60年代から受け継がれたオンオフ両用の「スクランブラー」スタイルを「CLシリーズ」が担う。

どのジャンルにも共通しているのは、バトルモードなライディングスタンスが求められる「レーサーレプリカ」とは対照的なのどかさ。足つきべったり、ゆったりフォームでのんびり風景を楽しみながら、ツーリングを楽しむ・・・そんなシーンが似合うところだろう。オフタイムをストレスフリーに過ごすには最適な「好性能」を、それぞれのスタイルで満喫させてくれる。

【輸入ブランド編】憧れだったロイヤルエンフィールドに初遭遇

そんな最新のネオクラシックモデルを始め、多彩なオートバイの魅力が一堂に会する「モーターサイクルショー」は、リターンライダーにとっても気になるビッグイベント。2023年は3月17~19日の大阪(インテックス大阪)を皮切りに、東京(東京ビッグサイト)、名古屋(AichiSky Expo)において3週連続で開催される。

そこで今回は3月24~26日に開催された第50回東京モーターサイクルショー2023を訪問した。本格的なリターンを考えている元ライダーとして「次期愛車候補」との素敵な出会いを期待しながら、気になるネオクラシックモデルの実車を見聞するのが目的だ。

そのためここで紹介させていただくモデルは、排気量もメーカーも販売価格もバラバラ。シンプルに「カッコいい」と感じた、ネオクラシックスタイルの私的セレクションである。多少のミーハー感はご了承あれ。まずは輸入ブランドから2台を厳選したい。

ロイヤルエンフィールド スーパーメテオ650

画像: 国内にはオフィシャルショップが20店舗ほど展開されているとのこと。専門店のサポートを受けられるという安心感も込みで、とても気になる。

国内にはオフィシャルショップが20店舗ほど展開されているとのこと。専門店のサポートを受けられるという安心感も込みで、とても気になる。

実は今回の出展車の中でも、事前からもっとも気になっていたのがこの「スーパーメテオ650」だった。1950年代のツアラー「メテオ」シリーズの正統を受け継ぐ、ロイヤルエンフィールドブランドの最上級クルーザーである。発売予定車としてショー展示されていたが、国内向け正式導入は2023年6月以降が予定されているという。

創業1901年、世界最古のオートバイブランドと言われる「ロイヤルエンフィールド(現在はインドに本拠を置く)」だけに、シンプルで端正なフォルムもさることながら、並列2気筒エンジン(648cc)の存在感は圧倒的だ。単体で飾っておきたくなるような美しさに心惹かれてしまう。

全体的には非常にボリューミーに見えるけれど、またがってみると意外なほどコンパクトで乗りやすそうな印象を覚えた。ハンドル位置は身長176cm・中肉中背の筆者には最適で、変なところに力が入らない、とてもリラックスしたライディングフォームをとることができた。

●ROYAL ENFIELD SUPERMETEOR 650(市販予定車)主要諸元
全長×全幅×全高:2260×890×1155mm/車両重量:241kg/エンジン種類・排気量:空冷4ストローク並列2気筒SOHC4バルブ・648cc/最高出力:34.6kW(47ps)/最大トルク:52.3Nm

ハーレーダビッドソン ナイトスター(スペシャル)

画像: 搭載されるRevolution Max 975T Vツインユニットは、最新の技術を盛り込んだ水冷式の975cc。最高出力は89hp、最大トルク95Nmを発生する。

搭載されるRevolution Max 975T Vツインユニットは、最新の技術を盛り込んだ水冷式の975cc。最高出力は89hp、最大トルク95Nmを発生する。

ハーレーダビッドソンにはSPORT/CRUISER/GRAND AMERICAN TOURING/ADVENTURE TOURING/TRIKEの5ラインが用意されているが、ナイトスターはそのうちSPORTに属する。2022年4月に国内で発表されたモデルだが、セールスポイントは切れ味鋭いハンドリングを始めとする「鋭敏なパフォーマンス」だ。

こちらはスーパーメテオとはまた別の意味で、エンジンユニットの圧倒的存在感が光る。なにしろ、フレームとのビルトイン感が半端ではない。それもそのはず、エンジン自体がメインメンバーとしての役割を担っており、剛性の向上とともに軽量化にも貢献しているという。

ABS、TCS、DSCS(ドラッグトルクスリップ制御システム)など、安全運転支援システムも最新を備えながら、クラシックなシルエットには空冷時代のスポーツスター・テイストがたっぷり。どの角度から見ても整ったフォルムが魅力的だ。

●HARLEY-DAVIDSON Nightster Special 主要諸元
全長:2265mm/車両重量:225kg/エンジン種類・排気量:水冷60度Vツイン・975cc/最高出力:66kW(89hp)/最大トルク:95Nm/現金販売価格:237万3800円~

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